研究課題/領域番号 |
01460257
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
結晶学
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研究機関 | 大阪大学 (1990) 東京大学 (1989) |
研究代表者 |
大門 寛 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20126121)
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研究分担者 |
井野 正三 東京大学, 理学部, 教授 (70005867)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1990年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1989年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 球面鏡分析器 / エネルギ-分析器 / 2次元検出 / 光電子分光 / エネルギ-バンド / 電子状態 / 表面 / 光電子回折 / 分析器 / 角度分布 / 光電子回析 |
研究概要 |
本研究の目的は、我々が新しく発明した「あるエネルギ-の粒子の角度分布を2次元像として表示する分析器」(特許出願中)を用いて、半導体表面超格子構造からの光電子の角度分布を測定することである。この分析器には「像が全く歪まない」、「従来の8000倍も明るい」など、数々の利点があり、多くの新しい発見が期待できるものである。 平成元年度は、Siなどの半導体表面にGaなどの金属を蒸着して加熱したときに現れる超格構造に、X線源やシンクロトロン放射(SR)などのX線を当てて、吸着している金属原子や下地のSi原子から出て来る光電子の放出角度分布の2次元パタ-ンを測定した。原子の内殻から出て来る光電子は、周りの原子によって散乱されながら出て来るのでそのパタ-ンには直接出てきた電子波と散乱された電子波との干渉パタ-ンが現れており、そのパタ-ンを解析することにより、吸着原子の周りの構造を調べることができる。特に、SRを用いた測定に於て成果があがり、世界で初めて2次元パタ-ンが数多く得られ、その解析にも成功し、国際学会での発表や論文発表(文献5,6)を行った。 平成2年度は、試料結晶に、HeIやIIの真空紫外線を照射して、価電子帯からの光電子の角度分布パタ-ンを観察した。このエネルギ-領域で光電子の角度分布を測定すると、価電子のエネルギ-バンドの断面図が2次元的に測定できることになり、ブリルワン領域内の全構造が短時間で測定できるようになる。試料としては、単結晶のKishグラファイトを用いて、理論や他の人の角度分解型の実験結果と比較した。結果は非常によく合っており、満足できるものであった。日本では初めての電子エネルギ-バンドの2次元測定に成功したことになり、学会発表を行った。この研究は世界的にもほどんど行われておらず、これから大いに研究を進めていきたい。
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