研究概要 |
東大原子核研究所のサイクロトロンからの陽子ビ-ムを20ー40MeVの間で2.5MeV間隔でエネルギ-を変えて1〜2mm厚のBeタ-ゲットに当てて、15ー35MeVのエネルギ-の準単色中性子ビ-ムを発生させた。このビ-ムを ^<27>A1, ^<16>O, ^<nat>Si,^<14>Nに照射し、核反応により生成された ^<26>A1(7.2×10^5年), ^<14>C(5730年), ^<10>Be(1.6×10^8年)の長寿命核種を、東大原子力研究総合センタ-のタンデムバンデグラフの質量分析ラインを用いて、表面障壁型Si検出器により検出した。その結果、 ^<27>Al(n,2n)^<26>Al, ^<16>O(n,2pn)^<14>C, ^<nat>Si(n,pXn)^<26>Al, ^<14>N(n,2n3p)^<10>Be反応の励起関数を求めることができて、最大値はそれぞれ約100mb、5mb、30mb、10mbであった。これらの実測値は世界で初めて得られた結果である。 また、pー^7Li反応を用いて予期した通りの単色中性子ビ-ムが得られたので、このビ-ムで ^<16>O, ^<24>Mg, ^<25>Mg, ^<28>Si, ^<29>Si, ^<54>Fe, ^<56>Fe, ^<63>Cu, ^<65>Cu, ^<64>Zn, ^<66>Znの濃縮同位体試料を照射し、反応断面積を求める実験を行った。陽子エネルギ-20,25,30,35,40MeVによる単色中性子ビ-ム照射実験の結果、 ^<16>O(n,2pn)^<14>C, ^<nat>Si(n,pXn)^<26>Al反応断面積についてはpーBe中性子による結果とよく一致した。他の濃縮同位体についての結果は現在まとめているが、いずれもこれまで全く発表されていない新しい結果が得られるであろう。 ^<32>Si(〜106年)の加速器質量分析法に関しては、現在開発を進め予備的な結果を得ており、今後さらに研究を進めていく予定である。 尚、これ迄に得られた結果を本年5月にドイツで開催される核デ-タ国際会議で報告することになっている。
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