研究課題/領域番号 |
01470002
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山崎 巌 北海道大学, 工学部, 教授 (80002111)
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研究分担者 |
西村 賢宣 北海道大学, 工学部, 助手 (60218211)
玉井 尚登 北海道大学, 工学部, 助手 (60163664)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | フラクタル / 励起エネルギ-移動 / LB膜 / ベシクル / ピコ秒レ-ザ-分光 |
研究概要 |
複数個の分子が集まって分子間力による凝集体を形成するとき、その形状は一見ランダムにみえるがある規則性(フラクタル構造)が存在し、これは励起分子ダイナミクスにおいて特異的なふるまいを示す。物質表面に吸着された色素分子の分布あるいは単分子膜中のゲスト分子の分布において、ゲスト分子は均一ランダムに格子点を埋めて分布するのではなく、互いに寄り集まり一定の規則をもった島状構造を作ることが示され、分子間の励起エネルギ-移動において従来の均一系とは全く異なる挙動を示す。本研究課題では、 (1)ベシクル・シリカゲル表面に吸着したエネルギ-ドナ-、アクセプタ-色素の間の励起エネルギ-移動について調べ、 (2)LB膜中の色素分子の分布構造について明らかにし、 (3)分子集合体におけるフラクタル構造の概念を確立するとともに、フラクタル構造と励起分子ダイナミクスとの関係、 などの問題について、主として励起エネルギ-移動の現象を利用して、ピコ秒レ-ザ-蛍光分光法に基づいて詳細に調べた。 本研究の成果を要約すれば、種々の凝集系、ベシクル、シリカゲル、バイコ-ルガラスおよびLB単分子膜などにおいて、分子の凝集過程が種々異なることを反映してフラクタル構造、フラクタル次元においても互いに異なること、フラクタル構造には2種類あり、(1)空間分布におけるフラクタル構造、および(2)エネルギ-移動の時系列における階層的フラクタル構造である。ベシクルにおいては(1)、LB膜においては(2)、その他は(1)と(2)との中間的であることがわかった。さらに実験から求められたフラクタル次元について、計算機によるフラクタル構造のシミュレ-ションを行なうことにより、フラクタル構造を視覚的にも捉えることが可能になった。
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