研究課題/領域番号 |
01470020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡崎 廉治 東京大学, 理学部, 教授 (70011567)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 高反応性化学種 / 速度論的安定化 / ケイ素 / ゲルマニウム / スズ / 立体保護基 / ポリスルフィド / ポリセレニド / 不安定化学種 / 立体保護 / DNMR / 分子力場計算 |
研究概要 |
かさ高い置換基を用いることにより高反応性の化学種を速度論的に安定化・単離する方法は、有機化学における新しい研究手法として近年注目されている。本研究では、新規立体保護基としてベンゼン誘導体のオルト位にトリメチルシリル基を含む(Me_3Si) _3C、 (Me_3Si) _2CHおよび(Me_3Si) _2CMeなどの置換基をもつ化合物を設計し、それを用いて各種の14属元素を含む新規化合物を合成した。特に2、4、6ートリス 〔ビス(トリメチルシリル)メチル〕フェニル基(Tb基)はキシレンの塩素化、トリメチルシリル化で容易に合成できかつ従来よく用いられてきた2、4、6ートリ-tーブチフェニル基よりかさ高く有用な立体保護基であることがわかった。TbHの臭素化で得られるTbBrはtーBuLiで容易にリチオ化されてTbLiを与え、これを出発物質としてケイ素、ゲルマニウム、スズなどを含む極めてかさ高い化合物Tb(Mes) MX_2(Mesメシチル基;M=Si、Ge、Sn;X=C1、H)が合成された。これらの硫黄またはセレンとの反応により新規環状ポリスルフィドあるいはポリセレニドが得られ、X線結晶解析により構造が決定された。これらはいづれも新しい複素環化合物であり、M=Y(M:Si、Ge、Sn;Y=S、Se)なる14族ー16族間の多重結合化合物の良い前駆体であると考えられた。実際、ポリスルフィドTb(Mes)MS_4(M=Ge,Sn)はヘキサメチル亜リン酸トリアミドと低温下容易に反応し、Ge=S、Sn=Sを含むゲルマンチオン、スタナンチオンを経由した生成物を与えた。ポリセレニドの場合もポリスルフィドと類以の反応性を持つことが示された。
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