研究課題/領域番号 |
01470093
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
西村 淳 群馬大学, 工学部, 教授 (10107352)
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研究分担者 |
岡田 行弘 群馬大学, 工学部, 助手 (80211118)
高橋 秀男 群馬大学, 工学部, 助手 (80008458)
亀山 栄一 群馬大学, 地域共同研究センター, 助教授 (40008438)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | シクロファン / シクロブタン環 / スチレン誘導体 / [2+2]光環化付加反応 / フォトクロミズム / ナフタレノファン / フェナントレノファン / 渡環反応 / ビフェニロファン / 光環化付加反応 / パドラン / 高歪分子 |
研究概要 |
スチレン誘導体の分子内[2+2]光環化付加反応によって新しい種類のシクロファン類を合成する新規な方法を見い出したので、この反応の詳細、即ち合成反応としてのスコ-プとリミテ-ション、光照射条件の差異の影響さらに本光反応の機構の詳細、得られたシクロファン類の反応、さらにその物性の応用面への活用を明らかにすることを目指した。 以下2年間の研究の成果を項目毎に箇条書に纏めた。(1)合成反応としてのスコ-プとリミテ-シヨンを明らかにするため、多数のhis(vinyln aphthyl)alkaneともに、bis(vinylphenanthryl)propaneと1,2ーcisーbis(vinylphenyl)cyclobutaneを合成し、光照射した。対応するフェナントレノファンとシクロブタン環2枚で架橋された[2.2]メタシクロファンをそれぞれ49%、20%収率で得た。これにより本法がかなりの汎用性を持つことを明らかにした。(2)本光環化付加反応の機構解明の一環として、ビニルナフタレン誘導体のビニル基に置換基を導入して、その効果を検討した。置換基の種類、位置による影響が大きいことが判明した。(3)合成されたシクロファンに渡環反応を施し、複数の小員環で架橋されたシクロファンの合成を目的に、架橋鎖への臭素化、脱臭素化を行ったところ、シクロプロパン環への変換に成功し、興味深いパドラン類が合成できた。(4)ナフタレノファンへの光照射による高歪キュバン型化合物の合成に成功し、この化合物の興味深い熱分解反応を認め、速度を解析した。(5)短架橋シクロファンについてはその熱分解挙動を明らかにした。一般に歪エネルギ-の順序に沿って分解しやすいことが認められた。(6)これらのシクロファンの示す物性、特に(4)で述べたフォトクロミズムを詳細に検討したが、機能材料として応用できるものではなかった。しかし合成した一連のクラウン型化合物の中にはイオンの抽出等に活性でかつリチウムイオンに選択的な性質を示す物質が認められた。
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