研究概要 |
著者らはFig.1に示すN6型Co(III)錯体の2ツの水酸基に長鎖アシル基を導入した両親媒的な錯体をを調製し、このものの集合挙動の検討を試み、天然に存在する燐脂質ーケファリン、ホスファチジルセリンの金属錯体を指針として集合体素子としての比較検討を行った。 第一段階としてこの種の錯体の合成を試みた。目的化合物錯体を得るための反応式を下記に記す。考えられるストラテジ-としては (1)α,β位の水酸基を予め長鎖アシル化した配位子ー2,3ージアルシルオキシプロピルエチレンジアミン を合成してこれと金属との反応による錯体の調製 (2)2,3ージヒドロキシプロピルエチレンジアミンを配位子として一旦錯体を得て、ついでこれを化学的に修飾して長鎖基の導入された錯体を得る。 が考えられる。 (1)においてはアミノ基と水酸基が共存する基質のアミノアルコ-ルにおいて水酸基のみをアシル化する方法を確立しなければならない。 (2)においては錯体を反応させるためのふさわしい条件の確立が要求される。 種々の反応条件のもとに最適条件の探索を行った。著者らは現時点において原則的に(2)の方法による合成法を確立した。 即ち,Fig.1におけるN6錯体や transー[CoCl_2(2,3,2ーtet)]の対イオンを変化させ、DMAc等の非プロトン性極性溶媒に対する溶解生を改良し、より高い収率にて両親媒性錯体を得た。
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