研究課題/領域番号 |
01470103
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 (1990) 福井大学 (1989) |
研究代表者 |
功刀 滋 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70111929)
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研究分担者 |
野村 哲士 福井大学, 工学部, 教授 (10001041)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 高圧力 / 生体高分子 / プロテア-ゼ / ヌクレア-ゼ / 化学修飾 / 変性 / タンパク質 / タンパク質分解酵素 / 電子伝達 |
研究概要 |
生体高分子触媒は、温和な条件下で特異的な反応触媒を示すことが特色であるが、極限的環境条件下では脆くも「構造」を喪失し無機能となることもある反面、天然状態とは異なった機能を示すこともある。種々の環境因子の中で、圧力は温度は並ぶ基本的な位置を占めるものであるが、生体反応に対する効果はこれまでほとんど研究されてこなかった。 本研究では、圧力の「効果」を積極的に「利用」する試みを行い、高圧による生体高分子構造の変化が、物性変化を通じて機能の変化として現われる過程を、「新奇な機能を利用すること」に目標を定め、酵素・膜タンパク質機能、核酸ータンパク質相互作用などを対象に検討した。 一年目は主なプロテア-ゼ、ペプチタ-ゼの作用について検討を加えたが、二年目はその成果にのっとり、ヌクレア-ゼ、エステラ-ゼを取り上げた。その結果,圧力の二つの作用のうち、Morlifier作用については、プロテア-ゼの逆触媒によるペプチド縮合反応の基質特異性・触媒性能の変化を解析し、常圧下とは異なる触媒機能を得た。また、エンドヌクレア-ゼでは基質である核酸の塩基配列に対する特異性の変化および結合特異性の変化に重点を置いて解析した。RNAの分解では、天然の酵素だけでなく、そのモデル触媒系も対象とし、圧力が反応の速度を飛躍的に高める反面、特異性は低下させること、その原因は酵素モデルと基質との複合体形成に伴う正の体積にあること等が明らかにされた。 一方Denaturant作用については、血清タンパク質、膜タンパク質を対象とし、その選択的遊離およびペプチタ-ゼによる限定的加水分解における圧力の効果を検討し、特にこれらの基質および触媒高分子が高圧力下でとる高次構造の変化と機能の変化との関係を明らかにした。さらに、圧力による可逆的変性作用を利用して、タンパク質の内部の所定の官能基(フェロセンなど)を導入するという新しい手法を提案するに至った。
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