研究課題/領域番号 |
01470140
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
荻原 幸夫 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (70080166)
|
研究分担者 |
能勢 充彦 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (60228327)
井上 誠 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (50191888)
雨谷 栄 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (80137124)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
|
キーワード | 漢方方剤 / 小柴胡湯 / 大柴胡湯 / マクロファ-ジ / インタ-ロイキンー1 / サイコサポニン / 溶血 / 貧食能 / グリチルリチン / 複合成分 / 生薬配合 / 大柴胡夜 / サポニン / 薬理作用 / コルチコステロン |
研究概要 |
漢方処方における生薬配合および複合成分の意義を探るために小柴胡湯とその類似構成生薬から成る大柴胡湯を用い以下のことを明らかにした。 1.小柴胡湯はマクロファ-ジのプロスタグランジン(PG)の生成の抑制、貧食能の亢進、インタ-ロイキンー1(ILー1)の遊離を促進し免疫応答能を制御していることが示された。 2.小柴胡湯によるILー1の遊離促進はPGの生成抑制とその他の機構が関与していることが示唆された。 3.小柴胡湯と大柴胡湯はILー1の遊離に対し相反する作用を示し、その作用はそれぞれの方剤に固有の構成生薬の作用とそれぞれ方剤に共通の生薬の補助作用で説明できた。 4.高脂血症ウサギにおける単球/マクロファ-ジの動態はコレステロ-ル値の上昇に伴い小柴胡湯では減少を大柴胡湯ではコントロ-ルレベルの維持といった相反した作用を示した。 5.小柴胡湯のマクロファ-ジ貧食能の亢進作用を方剤の分画成分で検討したところ、エタノ-ル不溶性画分、およびエタノ-ル可溶性分子量1000以下の画分に小柴胡湯が示すのと同程度あるいはそれ以上の活性が検出された。 6.小柴胡湯の生薬配合による成分の量的変動を検討したところ、黄苓、大棗、柴胡、人参はグリチルリチン量を増加させ、生姜、半夏は減少させた。また、この減少は抽出残渣への吸着であった。 7、サイコサポニンの示す坑炎症作用はサイコサポニン代謝物の副賢細胞、下垂体細胞への直接作用では説明できなかった。 8.赤血球溶血作用、膜流動性の検討よりサイコサポニンの溶血能は膜に対する親和性と相関しており、また、サイコサポニンの示す坑炎症作用、内因性糖質ステロイドホルモン分泌活性とも相関を示した。
|