研究課題/領域番号 |
01470143
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横山 陽 京都大学, 薬学部, 教授 (90025685)
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研究分担者 |
藤林 康久 京都大学, 医学部, 助手 (50165411)
遠藤 啓吾 京都大学, 医学部, 助教授 (10115800)
赤星 光彦 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00027418)
荒野 泰 京都大学, 薬学部, 助手 (90151167)
ホリウチ カズコ (スズキ カズコ) 京都大学, 薬学部, 助手 (50144382)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 99mーTc標識抗腫瘍抗体 / 186ーRe標識抗腫瘍抗体 / 核医学診断 / 核医学治療 / 99mーTcジメルカプトコハク酸錯体 / 多核錯断 / 体内分布 / がんの核医学診断 / がんの核医学治療 / 多核錯体 / 99m-Tc標識抗腫瘍抗体 / 186-Re標識抗腫瘍抗体 / 99m-Tcジメルカプトコハク酸錯体 |
研究概要 |
本研究はがんの核医学診断に使用する99mーTc標識抗腫瘍抗体の新しい研究展開をめざし、著者らが見いだした99mーTcージメルカプトコハク酸多核錯体(Tc‥DMS)のがん細胞集積性と抗体のがんタ-ゲッチング機能とを同時に備える99mーTc標識抗体の開発を検討し、さらにその成果をTcと同族金属であるReに展開させ、186ーReを用いる治療用抗腫瘍抗体の開発を検討することを計画したものである。 最初に、標識抗体開発の基礎になるTcーDMSの特徴とする体内挙動すなわち血液中での安定性とがん細胞集積挙動を多核錯体の化学的性質との関係において基礎的に検討した。特に、投与されたTcーDMSの血液中の環境、すなわち血液による希釈の条件下における錯体の解離平衡を調べた結果、配位した全DMSの20〜30%に当たる部分的なDMS の解離が進行するものの、Tcに多核状態は安定に保持されることが認められた。さらに、部分的なDNS 解離の進行後、Tcの多核状態はpHに極めてsensitive となり、中性から僅かのpH低下に伴い、TcO_4 ^<3->への解離とがん細胞への取り込みが劇的に進行することがインビトロ実験で認められた。がん細胞周辺が低pHの雰囲気にあり、またTcO_4 ^<3->ががん細胞集積に関係することはすでに明かとされている。すなわち、血中での希釈に伴う解離平衡がTcーDMSの独特の体内挙動の鍵を握ることが明らかにされた。 以上の成果を踏まえて、続いてTcーDMSの多核錯体構造を標識部位にもつ標識抗体の基礎的検討を進めた。現在まだ続行中であるが、DMS とNー(εーmaleimidocaproyloxy)succinimide を架橋試薬とする抗体とのconjugate を使用する標識抗体作製の可能性を見いだすなどの結果を得ており、今後の研究展開に期待をよせている。また、186ーRe標識抗体への研究展開の可能性も得られたものと理解している。
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