研究課題/領域番号 |
01480004
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原田 光 (1990) 九州大学, 理学部, 助手 (40150396)
向井 輝美 (1989) 九州大学, 理学部, 教授 (30091242)
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研究分担者 |
高野 敏行 九州大学, 理学部, 助手 (90202150)
山崎 常行 九州大学, 理学部, 助教授 (10108649)
日下部 眞一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40153275)
原田 光 九州大学, 理学部, 助手 (40150396)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | DNA多型 / 分子進化 / ドロソフィラ / トランスポゾン / 転移率 / P因子 / 生存に有利な突然変異 / 遺伝子重複 / 遺伝子混成 / 調節遺伝子 / 非翻訳領域 / 淘汰的制約 / 自然選択 / 適応進化 |
研究概要 |
分子レベルのデ-タが蓄積されるにつれ、木村(1968)による分子進化の中立説は、広くその妥当性が認められるようになってきた。これまでに向井らは、キイロショウジョウバエを用いてタンパク多型が選択的に中立であることを示してきた。本研究の目的は適応進化の素材としての遺伝的変異を分子レベルで検索し、分子進化の中立説との橋渡しを行うことである。本研究を通して以下の事が明らかになった。(1)生存力に関する遺伝的変異(相加遺伝分散)に南北集団間の違いが見られた。このことは南方集団に何らかの多様選択が働いてることを示唆する。このような変異は分子レベルのどのような違いを反映しているのかを調べるために北方の青森集団と南方の小笠原集団での制限酸素多型の程度を4つの酵素遺伝子座について調べた。この結果制限酵素切断部位の多型に西集団で差はないものの、DNA断片の挿入,欠天は南方集団に多く見られ、これらの集積が過大な相加遺伝分散をもたらしている可能性が示唆された。(2)Gpdh遺伝子座の重複の多型を幾つかの集団で調査した。遺伝子の重複は遺伝子の進化の重要な機構と考えられているが、重複した遺伝子に協調進化がおこっていることを示唆する結果を得た。(3)トランスポゾンは様々な突然変異を引き起すことが知られている。トランスポゾンの適応進化への貢献を検討する上で重要なパラメタ-である転移率の推定を試みた。(4)南北集団でトランスポゾン分布の比較を行った。この結果copia様因子のあるものについて南北集団に有意なコピ-数の差が見られた。(5)P因子の活性と分子構造に関する集団遺伝学的調査を行った。P因子が集団に侵入して数がふえると大きな遺伝的荷重作りだすことを示す証〓が得られた。またP因子には長さの多型が存在するが、完全長のものについては集団間に差があるがKP因子とよばれる不完全型のものは日本各地の集団で一様に頻度の増加が見られた。
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