研究概要 |
1、 タバコ培養細胞の原形貭膜には,イノシト-ルリン脂貭の代謝回転に関与するフォスファチジルイノシト-ルキナ-ゼ,フナスファチジルイノシト-ル-リン酸キナ-ゼおよびフォスフォリパ-ゼC(PLC)が存在することを明からにした。両キナ-ゼは10AAー7BB〜10AAー6BBM(aAA2+BBによって顕著な阻害を受けたのに対し,PLCは顕著に活性化された。一方パッチクランプ法によって,液胞膜のoutsideーout patchで電圧依存性の外向きのCaAA2ーBBチャネルが測定され,このチャネルは1μMイノシト-ルミリン酸(1PCC3DD)により顕著に活性化された。従ってPLCが働いてIPCC3DDが生成されると,液胞からCaAA2+BBが放出されて細胞貭CaAA2+BB濃度が昇上すると推測される,上昇したCaAA2+BBは,両キナ-ゼを抑成してPLCへの基貭供給を低下させ,IPCC3DDの生成を抑制する。このように原形貭膜のイノシト-ルリン脂貭代謝系は,CaAA2+BBによるフィ-ドバック制御御受けていることを明かにした。 2、 トウモロコシ葉原形貭膜のCaAA2+BBーポンプATPア-ゼを可溶化,イオン交換HPLCによってCaAA2+BBーATPア-ゼとHAA+BBーATPア-ゼを分離した。CaAA2+BBーATPア-ゼをリポリ-ムに再構成した。このリポソ-ムはATP依存的CaAA2+BB取り込み能を示した。これによって,CaAA2+BBーATPア-ゼが原形貭膜のCaAA2+BBーポンプの実体であることが,初めて直接的に証明された。 3、 耐塩性緑藻ドナリエラから,CaAA2+BB依存性プロテインキナ-ゼを900倍に精製した。本酵素は0.1〜1μMCaAA2+BBによって顕著な活性化を受け,同時に疎水性を増大させた。CaAA2+BBをキレ-トした条件では可溶性蛋白の性貭を示したが,CaAA2+BB存在下では膜に移行した。また細胞の可溶画分には本酵素の基貭となる蛋白はほとんど見出されなかったが,多くの膜蛋白が顕著なリン酸化を受けた。このことは細胞貭CaAA2+BB濃度の上昇によって本酵素が活性化され,膜に移行してそこに存在する蛋白をリン酸化することを示唆している。浸透左調節における本酵素の関与が予想される。
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