研究課題/領域番号 |
01480040
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
作物
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
喜久田 嘉郎 北海道大学, 農学部, 教授 (90001445)
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研究分担者 |
藤野 介延 北海道大学, 農学部, 助手 (80229020)
幸田 泰則 (幸田 恭則) 北海道大学, 農学部, 助教授 (20002355)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 馬鈴薯 / 水稲 / 塊茎形成 / 不定胚、不定芽形成 / トリプシンインヒビタ-遺伝子 / ジャスモン酸 / 細胞培養 / 再分化 / タイヌビエ / 培養細胞の再分化 / 不定胚形成 / チュ-ブリン遺伝子 / 不定芽形成 / 組織培養 / プロトプラスト培養 / バレイショ / ニンジン / イネ / 硝酸還元酵素 |
研究概要 |
植物組織細胞培養系を用いて、主要作物の細胞分化および器官形成、ならびに個体発生に至る過程に及ぼす生長物質の作用機作を遺伝子の発現過程から解明するとともに、転写調節機構解明のために試験管内転写系の開発を試みる。特に、馬鈴薯、水稲、ヒエなどのプロトプラスト培養、細胞融合とカルス化および細胞の分化、不定胚、不定芽形成など、作物の生育過程における諸現象とその制御に基礎的知見を加えることを目的とする。 馬鈴薯の組織培養によるカルス形成、不定芽形成についての生理学的研究により、その制御機構を明らかにした。この過程は、温度、照度、浸透圧などの環境要因のほか、生長物質の関与が明白である。また。馬鈴薯葉肉細胞プロトプラストの培養においても生長物質が細胞分裂の誘起や植物体再生に重要な役割を担っており、人参培養細胞の不定芽形成にも生長物質による制御が観察された。一方、貯蔵組織への細胞分化の研究は多少困難を伴い、馬鈴薯、人参、大豆等の培養細胞での澱粉粒、脂肪蛋白粒の蓄積など遺伝子発現との関連で検討しているが、その成果はまだない。近年の遺伝子操作の進歩はめざましく、この方法による馬鈴薯植物の分子進化の研究を行い、今後の細胞工学の基礎資料を作成した。しかし、実際の作物における形質発現には多くの問題の解決があるように思われる。培養細胞の分化および器官形成については、生長物質や培養条件と遺伝子の発現を観察するため、細胞骨格を決定するチュ-ブリン、セルラ-ゼ、ガラクチュロナ-ゼなどの遺伝子群のプロ〜ブを作成した。 馬鈴薯は塊茎形成過程に発現するmRNAライブラリ-をデファレンシアルスクリ-ニングした結果トリプシンインヒビタ-遺伝子を得て、塩基配列を決定した。さらに、これをマ-カ-としてストロン頂端部の形態変化に伴う遺伝子の器官特異的発現について検討したところ、一部ジャスモン酸によって誘導されることが明かとなった。これは、昆虫抵抗性遺伝子としても期待できるので、今後とも遺伝子発現についてプロモ〜タ〜領域の研プロモ-タ-領域の研究をしたい。 ビエの脱分化再分化について検討し、不定胚形成を観察した。また水稲種子の脱分化・再分化条件について検討、ABA、プロ-リンによる再分化能の維持を確認した。水稲培養細胞ではカルスの再分化過程における硝酸還元酵素の活性化に強い相関があるので注目し、不定芽形成過程の遺伝子活性を調査している。 今後は、馬鈴薯、人参、大豆、水稲などのプロトプラスとへの遺伝子の導入と発現について、抗体の作成、ベクタ-の作成など、未だ技術的に未完成であるが、細胞培養、脱分化・再分化による不定胚、不定芽形成などの過程で遺伝子の発現を解析し、作物の生育過程における諸現象とその制御に基礎的知見を加えたいと、考えている。
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