研究課題/領域番号 |
01480052
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
鎮西 康雄 三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
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研究分担者 |
三浦 健 三重大学, 医学部, 助手 (60219582)
松岡 裕之 三重大学, 医学部, 講師 (10173816)
安藤 勝彦 三重大学, 医学部, 助教授 (90024710)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | マダニ / カズキダニ / ヴィテロジェニン / ビテリン / 幼若ホルモン / プレコセン / 総神経球 / サイパ-メスリン / 卵黄形成 / Ornithodoros |
研究概要 |
カズキダニOrnithodoros moubata及びO.parkeriを用いて卵黄タンパク質の合成とそのホルモンによる調節について、また卵黄形成誘導因子の精製について研究した。まず卵からVitellin(Vn)と体液からその前駆体vitellogenin(Vg)を精製し、その性状を明らかにした。VgVnともに脂質及びヘムをイオン結合し、リン酸化された糖タンパク質であり、分子量は60万、6個の単量体ペプチドにより構成されていることを明らかにした。Vg合成は雌成虫の吸血により誘導され、脂肪体で合成され、体液に分泌され、卵巣に蓄積することを示した。Vgは吸血後2日目には体液で検出され、その後著しく体液中の濃度が増し、最大値60μg/μlにまで達する。ホルモンによるVg合成誘導機構を研究するため、プレコセンを処理し幼若ホルモン(JH)の分泌腺除去を試みたが、このマダニではプレコセンは全くきかないか、高濃度では毒性のみを示した。一方、ピレスロイトの1つサイパ-メスリン(CyM)は未吸血の雌成虫にVg合成を誘導し、卵巣発達を促した。このことから、未吸血であっても適当なホルモン環境下ではVg合成のおこることが示された。JHあるいはその誘導体(JHA)を未吸血雌に各種濃度で処理したが全くVg合成も卵巣の発達も有為に誘導されることはなかった。このことから我々はマダニの卵黄形成の誘導にJHは関与しないと結論した。ピレスリンは神経分泌を促進することの知られた物質であり、CyMによるVg合成の誘導の事実は神経分泌の関与を示唆するものであり、我々は特に総神経球(SyG)に注目し、結紮実験とCyM処理を組み合せた実験からSyGに卵黄形成誘導因子(VIF)が存在することを示した。SyG抽出液を未吸血雌に注射し、Vgの誘導を観察した。VIFの抽出精製を試み、それがペプタイドであることを確認した。
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