研究課題/領域番号 |
01480070
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
生原 喜久雄 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00014960)
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研究分担者 |
渡辺 直明 東京農工大学, 農学部, 助手 (10143637)
相場 芳憲 東京農工大学, 連合農学研究科, 教授 (00014944)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 物質循環 / 無機元素 / 無機化 / イオン / pH / 土壌溶液 / 渓流水 / 浄化機能 / 物質動態 / 森林土壌 / 移動特性 / イオン交換樹脂 / ポ-ラスカップ / 樹冠通過雨 / 流出元素量 |
研究概要 |
水源かん養、生態系内での物質循環や地力維持を考えるうえで、最も重要である土壌中での無機元素の動態を3つの側面(土壌溶液中での無機元素の動態、流域からの無機元素の流出特性、土壌中での有機物の無機化)から調査した。また、イオン交換樹脂による森林土壌浸透水の移動イオン量の測定法の確立や森林生態系での降水の移動にともなう無機元素の垂直的変化についても究明し、今後さらに重要視される多様性のある健全で生態的に安定した森林のあり方についての基礎的研究を行った。 降水にともなう土壌中の元素の移動量の測定には、イオン交換樹脂およびポ-ラスカップを取り付けた土壌採水器を併用することで、多くの知見を得ることが出来た。例えば、表層の5cm層でのイオン移動量が非常に多く,20cm層や50cm層では移動量に違いがない。閉鎖初期の林分の物質循環を調査し、枝打ちによる土壌への養分供給量を調査した結果、閉鎖初期でのA_0層量および下層植生も少なく、この時に枝打ちで有機物を土壌へ供給することは、地力の維持のためにも重要であることを指摘した。 土壌交換基からの溶液への陽イオンの溶出は、土壌溶液の主要な陰イオンの和に大きく影響されるとともに、溶出する元素量は土壌のpHにも大きく影響される。特に、pHが4以下になるとAl_<3+>濃度の増加が著しい。アルカリド度を用い、流出成分の分離に成功するとともに、基底流出が降雨時においても流量の大きな部分を占めることは、酸性降下物の中和作用など森林の水質浄化機能を考える上で注目すべき現象である。 森林土壌の温度と有機物の無機化速度との定量的関係を解明し、森林土壌の有機態窒素の無機化の反応速度論解析の可能性を指摘した。
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