研究課題/領域番号 |
01480078
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 潮 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30101083)
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研究分担者 |
小暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10161895)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 海洋細菌 / 16SrRNA / 系統分類 / ビブリオ属 / コレラ菌 |
研究概要 |
研究材料・方法:ビブリオ科・アルテロモナス属・シュ-ワネラ属・デイレア属の殆どすべての種、およびプセウドモナス属の海水性・陸性の細菌種を含む合計27種の標準菌株、さらにさまざまな海洋環境から分離した海洋細菌6株、合計33株について、16SrRNAの部分塩基配列を解析した。方法は逆転写酵素を使うLane(1985年)らのジデオキシン法を改良した方法により、3種の転写プライマ-を用いて、合計600塩基の配列を求めた。求められたデ-タはクラスタ-分析により、また斉藤・根井のNJ法によって解析した。 研究結課:16SrRNAの塩基配列を相互に、また大腸菌についての既知のデ-タと比較することによって、海洋細菌のそれぞれの属が、属に特有な塩基配列パタ-ンをもっていることが明らかになった。また、このことを利用して未知の6菌株が、それぞれビブリオ属3株、シュ-ワネラ属1株、フォトバクテリウム属2株に同定することができた。 従来、ビブリオ属に含まれていたコレラ菌(Vibrio cholerae)およびV.marinus,V.costicalaの3種の菌種は、16SrRNAの塩基配列による系統分類の結課、ビブリオ属から分離させるべきであることが分かった。これに伴い、ビブリオ属は3つまたはそれ以上の異る属に分けなければならないことが明らかになった。また、ビブリオ属から独立の属に分けられたリストネラ属の細菌は、16SrRNAの塩基配列からはビブリオ属に含められるべきであることが分かった。 海にだけ生息し、また好塩性性質をもつ海洋細菌種が、陸の細菌種とは系統分類の上で異るものであることが明確となり、典型的な海洋細菌種の系統分類の大枠が明らかになった。
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