研究課題/領域番号 |
01480108
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
飯野 晃啓 鳥取大学, 医学部, 教授 (50031969)
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研究分担者 |
稲賀 すみれ 鳥取大学, 医学部, 助手 (60116358)
舟木 賢治 鳥取大学, 医学部, 助手 (90091579)
名黒 知徳 鳥取大学, 医学部, 助教授 (50032230)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 共焦点レ-ザ-顕微鏡 / 染色体 / 精子 / 血尿 / 上皮細胞 / 癌細胞 / 鑑別診断 / 細胞診 / レ-ザ-顕微鏡 / 共焦点光学系 |
研究概要 |
共焦点レ-ザ-顕微鏡は1970年代初めに試作されたが、その優れた特性により次第に応用分野が広がり、今日ではいくつかのタイプの装置が実用化されている。1980年代中頃より始まった生物分野でのレ-ザ-顕微鏡の応用は、国内外で最近急速に盛んになってきている。本研究において、我々は従来の光学顕微鏡では得難い鮮明で立体的なレ-ザ-顕微鏡像による生物試料の微細構造観察を目的として、ヒト末梢血リンパ球染色体、植物花粉母細胞染色体、ショウジョウバエ唾液腺染色体、ヒト精子、ヒトの血尿中赤血球、尿中剥離上皮、胸水中癌細胞などの観察を試みた。その結果、観察対象によって無固定無染色で観察可能なものと、固定および染色を施した方が観察し易いものとがあることが分かった。また、ヒト中期染色体の観察において、一般の光顕ではとらえ難い重なりあう2本の染色体の上下関係の同定など、立体的な観察がレ-ザ-顕微鏡では可能であった(論文3編を発表)。更に、無固定無染色の生物試料を観察できるというレ-ザ-顕微鏡の利点に着目し、泌尿器科学的疾患である血尿の鑑別診断に応用したところ、共焦立リアルタイムレ-ザ-顕微鏡による赤血球の形態観察法は、従来の位相差顕微鏡を用いる方法より容易で確実であることが明らかになった(国内学会、外国雑誌に発表)。続いて、ヒト精子の中節部ミトコンドリアや先体の形態異常を生きたままの状態でとらえられることが分かり、男性不妊症診断における指標の一つである精子受精能判定に、レ-ザ-顕微鏡が有効な手段になり得ると考えられた。これらについては、米国泌尿器科学会(1992年5月)および米国不妊学会(1992年10月)に発表の予定である。さらに現在、癌細胞の鑑別診断への応用を試みているところである。以上のことから、本研究はレ-ザ-顕微鏡の生物試料への基礎的応用に加え、臨床部門での応用に先鞭をつけたといえよう。
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