研究分担者 |
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 講師 (80143965)
小林 俊夫 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (80020775)
竹岡 みち子 信州大学, 医学部, 助手 (30197280)
柳平 担徳 (柳平 垣徳 / 柳平 坦徳) 信州大学, 医学部, 講師 (10020760)
上田 五雨 信州大学, 医学部, 教授 (10020702)
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研究概要 |
平成2年度の研究実績として,動物実験では高地暴露の初期に認められた低酸素性肺血管収縮現象(HPVC)の抑御現象をさらに詳細に検討し,本現象とCGMPの関与を示唆する結果が得られた。またラットを用いた運動トレ-ニングの研究では,平地でのトレ-ニングはHPVC現象を明らかに抑御し,トレ-ニングの低酸素環境に対する有用性が明らかとなった。一方ヒトに関する研究成果としては,人工気象タンクを用いた実験と実際の登山および多種山岳レ-スにおける実験やチベット高地への遠征に関する研究など多岐にわたった。特にヒマラヤ高地への遠征に関する研究では非常に興味ある結果が得られた。図は我々日本人隊員が遠征中測定したSaO_2の変化をみたものであるが,図からも明らかなように,遠征期間中特に運動中のSaO_2に順応効果が顕著に認められた。また各高度に生活しているチベット高地人の値と比較すると,日本人隊員との間に差はまったく認められなかった。この結果は一般に言われている南米高地人の傾向とは著しく異る結果であり,今後さらに詳細な検討が要求される。
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