研究課題/領域番号 |
01480137
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三木 直正 大阪大学, 医学部, 教授 (40094445)
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研究分担者 |
山形 要人 大阪大学, 医学部, 助手
大杉 武 大阪大学, 医学部, 助手 (50176880)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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キーワード | 突起伸展因子 / 突起伸展因子受容体 / 網膜 / 神経再生 / 加齢 |
研究概要 |
ニワトリ毛様体神経節(ciliary ganglion,CG)ニュ-ロンより突起伸展を引き起こす因子(神経突起伸展因子、NOF)を、ニワトリ砂のう平滑筋より精製し報告している。本研究では、NOF受容体を以下の方法で検索した。1)Ligand blot法:NOF受容体分画をSDS-PAGE後、ニトロセルロ-ス膜に固定し、NOFを結合させ、その結合蛋白質をNOFモノクロナル抗体で検出する。2)阻害活性:CGニュ-ロンにNOFを加えると突起が伸びるが、これに外からNOF受容体分画を加えると、CGニュ-ロンのNOF受容体との間で競合が起こり、CGニュ-ロンからの突起伸展が阻害される。砂のう平滑筋および胚網膜に、NOFと特異的に結件する82kDの蛋白質が存在した。砂のう平滑筋より、NOF受容体をSDSーPAGEで単一バンドにまで精製した。NOFが、NOF受容体に結合するためには、受容体分子内のSーS結合が必須であった。NOF受容体(82kDa)に対する抗体を作製した。この抗体はCGニュ-ロンからの突起伸展およびリガンドブロット反応を阻害した。次に、NOF受容体の生理的意義について検討した。10日胚までのニワトリ培養網膜はNOFに反応して突起を著明に伸ばす能力があるが、それ以降になるとNOFに除々に反応しなくなる。培養網膜から突起が最も出る8ー10日目胚の網膜に最もNOF受容体が多く存在し、以降、突起伸展能が減少するにつれ、NOF受容体も減少した。このことは、NOF受容体抗体を用いた、免疫組織化学においても確めた。従って、加齢により神経細胞の突起が再生しなくなる原因の一つとして、突起伸展因子受容体が加齢と共に、減少あるいは消失するためであると示唆された。
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