研究課題/領域番号 |
01480163
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
清水 不二雄 新潟大学, 医学部, 教授 (40012728)
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研究分担者 |
森岡 哲夫 新潟大学, 医学部, 助手 (00210146)
追手 巍 (追手 魏) 新潟大学, 医学部, 助教授 (60018744)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 単クロ-ン抗体 / 蛋白尿 / 糸球体上皮細胞 / メサンギウム / メサンギオライシス / 培養細胞 / 腎糸球体硬化 / 補体 / slit diaphragm / 腎糸球体上皮細胞 / アミノヌクレオシド腎症 |
研究概要 |
単クロ-ク抗体(MA)を最適の武器として、腎障害惹起機序の分子レベルにおける解析をはかった。一回静注によりラットに高度な蛋白尿を惹起し得る二種のMAを作製し得た。MA5ー1ー6はIgG1に属し、種、臓器特異性に富み、ラット糸球体上皮細胞足突起表面、とりわけ slit diaphragm 周辺と又MA1ー22ー3はIgG3に属しラット糸球体メサンギウム細胞表面の内皮側に限局した部位と反応する。 in vitro の系では前者は培養上皮細胞とは反応せば後者は培養メサンギウム細胞全表面と反応する。また蛋白尿惹起必要最低腎結合量は両者とも他のモデルに比し桁違いに微量である、その標的部位の限局性と重要性が再度示唆された。このように糸球体の透過性保特に必須の役割に演ずると思われる両認識抗原の分子量、等電点は各々前者が51kd,5.7後者が25kd、8.3である。MA5ー1ー6によりもたらされる腎病変では形態学的変化は殆ど認められない。その認識抗原が他の蛋白尿惹起モデルも含めて現実に蛋白尿と相関して減少ないし消失いていることが免疫組織化学的検索でも、放射性同位元素を応用した定量的検索でも明らかにされており、この抗原分子の動態とその生理的意義を追求することが今後の目的となる。MA1ー22ー3は蛋白尿のみならず、メサンギオライシスとそれに続くメサンギウム細胞増殖と基質の増加というメサンギウム病変をも補体依存性に惹起する。我々はこれら両MAから得られた知見をもとに、腎鰔害を腎固有細胞上の限定分子間での反応が引金を引く連鎖反応の結果とみなせないかという新しい観点を主張している。いずれにしろこれら両MAは、蛋白尿とメサンギウム病変という腎障害に一番重要で代表的な病変発現機序、並びに相互関係を、分子レベル、エピト-プレベルで明らかにしていく上に有力な武器であり今後ともこれらを用いて検索をすゝめる予定である。
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