研究課題/領域番号 |
01480169
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
吉村 堅太郎 秋田大学, 医学部, 教授 (90053058)
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研究分担者 |
島田 博子 (菅谷 博子) 秋田大学, 医学部, 助手 (30235626)
石田 和人 秋田大学, 医学部, 助手 (60006731)
谷 重和 秋田大学, 医学部, 助手 (10006728)
阿部 達也 秋田大学, 医学部, 助教授 (80128363)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 広東住血線虫 / 好酸球 / 好酸球遊走因子 / 髄液 / 単クロ-ン抗体 / 低比重好酸球 / affinity chromatography / chemotaxis assay / 間接蛍光抗体法 / Mesocestoides corti / ELISA / Western blotting / レセプタ- / モルモット / ラット |
研究概要 |
本研究において、以下の事実が明らかにされた。1.モルモットの好酸球には広東住血線虫幼若成虫由来の好酸球遊走因子(ECFーYA)に対するレセプタ-が存在するが、ラットの好酸球にはこのレセプタ-が存在しないか、またはその数が少ない。2.このレセプタ-は蛋白質性であり、再生が可能である。3.幼若成虫抽出物(YAーWWE)から部分精製されたECFーYAを用いて免疫されたマウスの脾細胞を用いてハイブリド-マを作製したところ、16.1kDまたは85kDの抗原を認識する2種類のクロ-ンが得られ、単クロ-ン抗体(mAb)のisotypeはいずれもIgG1であった。4.これらのmAbsはECFーYAと特異的に反応するが、広東住血線虫第1期幼虫、豚肺虫、肝蛭、マンソン裂頭条虫プレロセルコイドの抽出物とは全く反応しない。5.16.1kDと85kD抗原を認識する複数のmAbsはいずれも対応する抗原の同一エピト-プを認識する。6.抗16.1kDと抗85kD mAbsはYAーWWEの好酸球遊走活性を抑制し、特に前者の抑制効果が強い。2種類のmAbsを混合すると単独使用時よりも強い抑制効果が認められた。7.これら2種のmAbsはいずれも、他の蠕虫に由来するECFの遊走活性を抑制できなかった。8.抗16.1kD mAbを用いたaffinity chromatographyによってYAーWWE中から16.1kD抗原の単離に成功した。9.ECFーYAは幼若成虫の腸壁細胞の細胞質に主として存在し、さらにこのものは虫体の排泄物・分泌物として体外へ放出される。10.感染マウスの末梢血好酸球には低比重化は認められないが、髄液の好酸球には低比重化が認められる。11.他の蠕虫(Mesocestoides corti)の感染によって誘導された末梢血好酸球増多は、その後に広東住血線虫を感染させても髄液好酸球増多に繋がらない。つまり、広東住血線虫感染時の髄液の好酸球増多にはECFーYAや広東住血線虫虫体抗原に感作されたリンパ球由来のサイトカインが関与する。
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