研究課題/領域番号 |
01480176
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
深沢 義村 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10087760)
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研究分担者 |
新井 正 生物学療法研究会, 会長
宮川 洋三 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00166125)
加賀谷 けい子 山梨医科大学, 医科部, 助手 (60112984)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1990年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | Candida albicans / 病原性因子 / カタラ-ゼ / マンナン / 上皮細胞粘着性 / エルゴステロ-ル / 二形性 / <Candida>___ー <albicans>___ー / アゾ-ル系抗真菌剤 |
研究概要 |
カンジダ症の主要原因菌であるCandida albicansの病原性因子を総合的に解析することを試みた。先づC. albicansの細胞内寄生性に関与すると考えられるカタラ-ゼについて検討した結果、C. albicans のH_2O_2刺激によりカタラ-ゼの産生量は増加するが、C. albicansの好中球内における殺菌抵抗性に変化はみられないことが示され、ストレスプロテインとしてのカタラ-ゼはC. albicansの細胞内寄生性とは関連しないことが示唆された。 次に菌の宿主上皮細胞への粘着に関与する物質について検討した。C. albicans A型から得られた特異抗原6欠損変異株は、親株および変異株から得られた自然復帰突然変異株に比べ、上皮細胞粘着能が著明に低下していることが示された。そこでC. albicans A型の親株と変異株の細胞壁マンナンの ^1Hー核磁気共鳴スペクトル分析および酢化分解産物のゲル濾過を行った結果、変異株マンナンではβ結合の関与する6糖類(M6)が減少していることが示された。このM6は抗原6に対応するモノクロ-ナル抗体のC. albicans に対する凝集を阻止したことから、抗原6の決定基として重要であることが示唆された。以上の結果からC.albicans A型マンナンの抗原6の決定基が上皮細胞粘着性において重要な役割を果していることが示唆された。さらにこのことは、Candida属の各菌種のうち、抗原6を有する菌種(C. tropicalis等)の粘着能がこれを有しない菌種(C. guilliermondii 等)のそれよりも高い事都により支持された。 一方、菌の生体内抵抗性に関与すると考えられる二形性転換のメカニズムを明らかにする目的で、数種の薬剤を用いてエルゴステロ-ルの生合成系を異なる位置で阻害した結果、菌糸形への転換阻害はエルゴステロ-ルの欠損それ自体に関わることが示唆された。
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