研究課題/領域番号 |
01480183
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
野本 明男 東京都臨床医学総合研究所, 微生物研究部門, 部長 (70112670)
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研究分担者 |
小池 智 東京都臨床医学総合研究所, 微生物研究部門, 研究員 (30195630)
沖津 明 東京都臨床医学総合研究所, 微生物, 研究員 (20201395)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | ポリオウイルス / 受容体 / 受容体遺伝子 / 受容体cDNA / 組織特異的発現 / alternative splicing / トランスジェニックマウス / 発現調節機構 / トランスメンブレンドメイン / ウイルス認識部位 / Nーグリコシレ-ション |
研究概要 |
ポリウイルスの細胞側受容体(PVR)の遺伝子およびcDNAをHeLa細胞から単離し、その構造解析を行った。その結果、少くとも4種類のmRNAがalternative splicingにより生じていることが明らかとなった。これらcDNAをマウスL細胞で発現させ、PVRとしての機能を調べた結果、トランスメンブレン領域を欠いたPVRはPVRとしての機能は持っていないことが明らかとなった。さらに人工変異を与えたPVRを作製し、機能領域を検討したところ、PVRとして機能するには第1の免疫グロブリン様領域とトランスメンブレン領域が必要であることが判明した。次にPVP遺伝子上の転写制御領域の機能を解明する目的でPVRcDNAのコ-ディング領域の上流約500塩基の一次構造を解析したが、明らかにTATAboxと思われる一次構造は存在していなかった。また転写開始点を特定することも出来なかった。したがって特別な転写制御機構が働いている可能性が考えられた。この転写制御機構が他生物でも同様に働くか否かを知るため、ヒトPVR遺伝子をマウス遺伝子に導入し、トランスジェニックマウスを作製した。このマウスはポリオウイルスに対する感受性を獲得していた。各臓器におけるヒトPVR遺伝子の発現を調べたところ、ヒト個体の各臓器での発現と同様に、脳や脊随では強く発現しているが他の臓器での発現は比較的弱いということが明らかとなった。またpolymerase chain reaction(PCR)法による解析の結果、ヒトとマウスの各臓器中で同様にalternative splicingが起きており、HeLa細胞で観察された各種mRNAが検出された。以上のように、ヒトPVR遺伝子の組織特異的発現調節機構は、マウスでも同様に機能することを明らかにしたが、PVR遺伝子の発現調節機構そのものは現在も解析中である。
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