研究課題/領域番号 |
01480187
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅野 喜博 東京大学, 医学部(医), 助教授 (70114353)
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研究分担者 |
佐野 公仁夫 東京大学, 医学部(医), 助手 (20192601)
多田 富雄 東京大学, 医学部(医), 教授 (10009136)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | T細胞レパ-トリ- / ヘルパ-T細胞 / サプレッサ-T細胞 / サイトカイン / CD4 / CD8 / MHCクラスII / 放射線骨髄キメラ / MHC |
研究概要 |
本研究は、(1)in vivoでのT細胞の機能的サブセットの形成機序を解明すると同時に、(2)クロ-ン化したヘルパ-T(Th)・サプレッサ-T(Ts)細胞を用いて、TーB細胞間およびTーT細胞間相互作用を解析し、さらに(3)細胞間シグナル伝達物質を分離・同定し、調節性に作用するT細胞を中心とした免疫応答の調節機構をクロ-ン細胞レベル・分子レベルで明らかにすることを目的とした。3年間の解析によって以下の成果が得られた。 (1)末梢の機能的T細胞レパ-トリ-の形成は、胸腺内での分化過程で規定されるものと、末梢での抗原感作によって規定されるものとの、2つの異なる機序があることが明らかになった。(2)CD4タイプおよびCD8タイプTs細胞は、サイトカイン産生パタ-ンおよび機能から、独立したサブセットのT細胞であることが明らかになった。(3)これらのTs細胞はMHCクラスII拘束性で、T細胞レセプタ-αβ鎖を使っていることが明らかになった。(4)Ts細胞は、Th細胞活性化初期過程を抑制する。この抑制はTs→Th細胞へと一方向性でかつ細胞のタイプに特異的である。(5)Ts細胞の最終的な抑制作用は可溶性抑制因子によることが明らかになった。CD8タイプTs細胞はIL10およびTNFαβによってTh細胞機能を抑制したが、CD4タイプTs細胞の産生する抑制因子は、既知のサイトカインとは異なることが明らかになった。すなわち、CD4タイプとCD8タイプTs細胞の作用機構が異なることが示された。 TsーTh細胞間に作用する抑制因子およびその遺伝子の分離・同定は現在進行中である。これまでに解析してきた細胞間に働く抑制因子の作用が、どのような機構で細胞質内・核へのシグナルとして伝えられるかとという点は、今後の重要な課題である。
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