研究課題/領域番号 |
01480228
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
武内 俊彦 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20079990)
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研究分担者 |
早川 富博 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50172995)
片桐 健二 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (50094363)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 胆汁酸 / 胆汁うつ滞 / 細胞保護作用 / 微小管 / 重炭酸イオン / ウルソデオキュコ-ル酸 / βムリコ-ル酸 / 細胞障害 / 初代ラット培養肝細胞 / ウルソデオキシコ-ル酸 / 利胆剤 / 胆汁うっ滞 |
研究概要 |
Ursodeoxycholic acid(UDCA) とβーmuricholic acid(βMCA)の利胆作用と肝細胞保護作用の機序をラット摘出肝潅流と初代分離培養肝細胞を用いて検討した。UDCAと βMCAおよびそのタウリン抱合体(TUDCA、TβMCA)は正常肝において、胆汁酸と胆汁脂質の分泌を伴ういわゆるミセル形成性の胆汁酸であるにもかかわらず、コルヒチンで微小管障害をおこした場合にも正常に近い利胆作用をあらわす特徴が発見された。Taurocholic acid(TCA) Taurochenodeoxicholic acid(TCDCA)は微小管障害肝で著しい胆汁欝滞を惹起するが、TUDCA やTβMCAを併用するとこの欝滞が軽減されることも判明した。潅流液中へのGOT,GPTの遊出や胆汁中へのγGTP ALP分泌もこれら併用群で明らかに低下しており、両胆汁酸は肝細胞保護作用を有すると思われる。βMCAは胆汁中の重炭酸イオン濃度を上昇させる点でも特徴的である。培養肝細胞を用いた実験では、TCDCAの添加量に応じて肝細胞障害が進行するがこれは細胞内TCDCA濃度に依存する。この時TUDCA またはTβMCAを併用すると、細胞内のTCDCA濃度は低下して細胞障害が軽減された。以上よりTUDCAと TβMCAは微小管非依存性の利胆作用をもち、細胞内のTCAやTCDCAなど毒性の高い胆汁酸の排泄を促進して細胞の保護作用を発揮する胆汁酸であると考えられた。こうした作用はその化学構造に由来しアニオンとしての作用と界面活性作用が程良くバランスがとれているためと推測された。
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