研究課題/領域番号 |
01480231
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
高田 昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (30064497)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | アルコ-ル性肝障害 / 病因 / 発生機序 / 糖蛋白 / 微小変異 / トランフフェリン / 肝細胞内蓄積 / Golgi装置 / 病因論 / 等電点電気泳動 / シア-ル酸 / アルコ-ルピラゾ-ル肝炎 / トランスフェリン / 糖蛋白の分泌障害 / glycosilationの障害 |
研究概要 |
1.糖蛋白の微小変異と肝細胞内蓄積:人およびラットのいずれのアルコ-ル(AL)性肝障害においても、風船化肝細胞にtransferrin(Tf)が強く染色され、この変化は血清Tfの微小変異の出現と関連していた。免疫電顕的には、TfはGolgi装置に貯溜しており、この変化は肝微小管の減少と関連していた。2.糖蛋白の肝内転送:アイソト-プ標識糖およびアミノ酸を用い、ラットのAL性肝障害で分析すると、血清Tfへの転入は抑制されており、Golgi装置からの排泄遅延が認められた。これらの変化は、標識糖でより著明であった。3.肝内蓄積の機序: ^<35>Sーmethioninのpulseーchase labelling法を用い、培養肝細胞での分泌糖蛋白のkineticsを分析したが、AL性肝障害での分泌障害はTfの成熟の障害によっていると推定された。4.糖蛋白の微小変異の解析:Western blotting法で分析すると、Tfのほかにα_1ーantitrypsinにも明かな変異が認められたが、他の糖蛋白での変異は明瞭ではなかった。血清をsialidaseで処理すると、変異の有無にかかわらず、等電点電気泳動像はまったく同じとなり、微小変異はシア-ル酸の異常によっていることが明かになった。5.微小変異の出現機序:非代償性肝硬変のような重篤な肝疾患でも血清Tfの微小変異が出現するが、その電気泳動パタ-ンはAL性肝障害のそれとは明かに異なり、sialidaseで処理してもその差は消失しなかった。このことから、AL性肝障害における微小変異はasialoーprotein receptorの減少によるものではないと考えられた。6.微小変異の臨床的意義:多数例について検討するために、血清Tfの微小変異を検出する簡便な方法を開発した。微小変異はAL性肝障害の73%に認められたが、肝障害のない大酒家、AL性膵炎では1例も認められなかった。微小変異が陰性のAL性肝障害の肝病変は軽く、微小変異は大酒家のマ-カ-と言うよりは、ALに特異的な肝障害を反映していると考えられた。
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