研究分担者 |
戸田 達史 東京大学, 医学部(病), 医員
砂田 芳秀 東京大学, 医学部(病), 助手
後藤 順 東京大学, 医学部(病), 助手 (10211252)
砂田 芳彦 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究概要 |
当該研究はジストロフィンの部位特異的抗体の調製を行い,その生理機能,病態発症上の意義を検討することを目的とした.1.アミノ酸の215-264(N端),10125-10138および10209-10229(C端側)の3つのペプチドを合成し,N端特異単クローン抗体AlC(IgG2a)の調製に成功した.しかし,C端特異抗体は調製できなかった.2.骨格筋上でのジストロフィン局在を詳細に検討した結果,筋形質膜以外に神経筋接合部と筋腱移行部に特に強く偏在し,特殊な機能に関与する可能性を示した.3.当初DMDではジストロフィンの欠損ないし著減,BMDでは正常サイズのジストロフィンが少量発現しているか,異常サイズのジストロフィンが発現していると考えられていた.しかしBMDは不確定であったのでBMD23例を解析.正常または/および異常サイズのジストロフィンがみられたが,20例で複数のジストロフィンが発現しており,splicing levelでの複雑さを証明した.4.ジストロフィンの発生過程と先天性筋疾患での変化を検討した結果ジストロフィンのupregulationと先天性筋緊張性ジストロフィーでの発現遅延をみつけた.5.ジストロフィンの二次元電気泳動でelectrofocusingい成功し,pI5.5がえられ弱い酸性蛋白である.6.ジストロフィンの単離精製をおこない,80%純度の標本がえられた.これのrotary shadowingでdumpbell型の長さ10nm,太さ3nmの分子が可視化された.antiparallel homodimerを支持する結果であったと同時に,ジストロフィン分子同士の端端吻合もしめされ,selfassemblyすることも判明した.
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