研究分担者 |
大西 喜久子 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (00213794)
今井 正 (西井 正) 香川医科大学, 医学部, 助手 (60176477)
磯部 健一 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00159815)
伊藤 進 香川医科大学, 医学部, 講師 (80145052)
國方 徹也 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (50195468)
福崎 良 香川医科大学, 医学部, 助手 (40189931)
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研究概要 |
新生児高ビリルビン血症に対する光療法の主要な副作用であるbronze baby syndromeの発症機構については,光エネルギ-により生成されたビリルビンの光構造異性体である(EZ)ーcyclobilirubinが排泄障害により生体内に蓄積し,重合して発症することを見出し報告した。一重項酸素のクエンチャ-であるビタミンE,ハイドロキシラジカルのスカベンジャ-であるエタノ-ル,フリ-ラジカルのスカベンジャ-であるビタミンCについてそれぞれ重合抑制作用を検討した。その結果,ビタミンCのみに重合抑制作用を認めた。つまり,(EZ)ーcyclobilirubinの重合反応は嫌気的条件でも生じ水溶性のラジカルスカベンジャ-であるビタミンCにより抑制されるため、その反応は活性酸素の関与しない(EZ)ーcyclobilirubin自身のラジカル構造に基づくものであると結論される。また,リポソ-ム膜吸着ビリルビンの光化学反応は,ビリルビン・ヒト血清アルブミンの複合体の光化学反応に見られるビリルビンの立体異性体の選択性はなく,(EZ)ーbilirubinは照射時間と共に増加し,その生成量に比例して(EZ)ーcyclobilirubinが生成されることが判明した。要するに,ヒト新生児高ビリルビン血症の光療法中では,血中の(EZ)ーbilirubinの濃度は極めて低値((ZE)ーbilirubinの約6/100)であり,主にビリルビンはヒト血清アルブミンと結合した状態で光化学反応を生じている。しかし,リポソ-ム結合ビリルビンは光照射によりcyclobilirubinに光化学変化するため,生体においても生体膜吸着ビリルビンもこの経路で排泄されている。CDに関しては生体試料において濃度が薄い事,(EX)ーcyclobilirubinが不安定なため測定出来なかった。
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