研究課題/領域番号 |
01480266
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今村 貞夫 京都大学, 医学部, 教授 (30026869)
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研究分担者 |
古川 福実 京都大学, 医学部, 講師 (40156964)
宮地 良樹 京都大学, 医学部, 講師 (30127146)
井階 幸一 京都大学, 医学部, 助教授 (00135568)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1989年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 表皮系腫瘍 / EGFレセプタ- / 菌状息肉症 / 皮膚型成人T細胞リンパ腫 / 局面性類乾癬 / リンパ腫様丘疹症 / B細胞リンパ腫 / 光線性類細網症 |
研究概要 |
1.表皮系腫瘍におけるEGFreceptorの発現と、EGFreceptor geneの検索。種々の表皮系腫瘍を抗EGFreceptor抗体を用いて染色したところ、正常表皮では基底層ならびに有棘層下層の細胞膜にのみ陽性反応が認められたるに対し、有棘細胞癌や同リンパ節転移では、全腫瘍細胞に陽性反応が認められた。有棘細胞癌の1例は熱傷瘢痕より発生したものであったが、表皮細胞に異型性はないにもかかわらず、表皮全層に陽性反応が認められた。なお、3B4-6抗体やKi-67抗体による反応は、有棘細胞癌や同リンパ節転移では、腫瘍細胞に陽性反応がみられたのに対し、熱傷瘢痕では基底細胞層のみに認められた。一方、EGFreceptor geneをproveとしてSouthern blottingを行ったが、腫瘍細胞のEGFreceptor geneの増幅や構造変化は認められなかった。 2.菌状息肉症の遺伝子解析。種々の病期における本症皮膚病変を生検し、T cell receptor geneをprobeとしてsouthern blottingを行ったところ、premycotic stageでは、monoclonalityは全く認められず、plague stage以後において、認められはじめること、しかも、複数個の病変で、全く同じpatternが認められることが分った。 3.皮膚型成人T細胞リンパ腫(ATL)の遺伝子解析。HTLV-IおよびT cell receptor geneをprobeとして、ATL患者の皮膚腫瘍のDNA解析を行ったところ、末梢血中に異型細胞や同リンパ球のDNA解析異常の出現以前にHTL-I virusの取り込みと同細胞のモノクロナ-ルな増殖が認められ、皮膚型ATLの存在が遺伝子的にも確認された。 4.その他のリンパ球増殖性疾患の遺伝子解析。T cell receptor geneを用い、局面性類乾癬、リンパ腫様丘疹症、B細胞リンパ腫、光線性類細網症についてT cell receptor gene、immunogloblin geneを用い、DNA解析を行ったところ、B細胞リンパ腫とリンパ腫瘍様丘疹症の4例中1例にmonoclonal rearrangementが認められたが、他疾患ではこのような所見はなかった。
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