研究課題/領域番号 |
01480290
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
花房 俊昭 大阪大学, 医学部, 助手 (60164886)
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研究分担者 |
宮川 潤一郎 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
河野 典夫 大阪大学, 医学部, 講師 (30093412)
MIYAGAWA Junーichiro Osaka University Medical School Hospital
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1990年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | I型糖尿病 / MHC抗原 / サイトカイン / インタ-フェロンγ / 膵β細胞 / 発症機序 / インスリン分泌 / 分子生物学 / インスリノ-マ細胞 / トランスフェクション / 遺伝子導入 / FACS / 腫瘍壊死因子 / Northern blotting |
研究概要 |
I型糖尿病の膵β細胞における主要組織適合性複合体(MHC)抗原異常発現のメカニズムを、分子生物学的手法を用いて分析した。 まず、いかなるサイトカインによって膵β細胞にMHC抗原が誘導されるかを明らかにするため、ラットインスリノ-マ細胞株であるRINm5F細胞を用い、種々のサイトカインのMHC抗原mRNA発現に及ぼす効果をNorthern blotting法により検討した。その結果、サイトカイン無添加では、正常β細胞におけると同様、クラスIMHC抗原のmRNAは検出されたが、クラスII抗原のmRNAは検出されなかった。クラスI抗原のmRNAはIFNγ単独あるいはIFNγ+TNFγの添加により増強した。しかし、クラスIIのmRNAはいかなるサイトカインの刺激によっても発現が認められなかった。一方、インスリンのmRNAは、IFNγ+TNFαにより減少した。 次に、膵β細胞のインスリン分泌能がMHC抗原の発現によりいかなる影響をうけるか検討する目的で、ヒトMHC抗原(HLAーCw2)遺伝子とネオマイシン耐性遺伝子をリン酸ストロンチウム法を用いたトランスフェクションによってRINm5F細胞に導入し、種々の程度のMHC抗原を持続的に発現する12個のクロ-ンを得た。それぞれのクロ-ンのグルコ-ス刺激に対するインスリン分泌反応を検討したところ、MHC抗原の発現量とグルコ-スに対するインスリン分泌量の間には負の相関関係が認められた。 本研究により、膵β細胞におけるMHC抗原の発現は種々のサイトカインによる制御をうけること、また、膵β細胞ではMHC抗原発現の程度とインスリン分泌能との間に負の相関関係の存在することが明らかになった。以上の成績は、I型糖尿病の発症において膵β細胞におけるMHC抗原発現の重要性を示すものである。
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