研究課題/領域番号 |
01480297
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
青木 延雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20048937)
|
研究分担者 |
三浦 修 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10209710)
加藤 淳 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50183265)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | アルファ2プラスミンシンヒビタ- / 線溶 / 遺伝性欠損症 / 細胞内輸送 / フレ-ムシフト / アミノ酸欠失 / アルファ2プラスミンインヒビタ- / α_2PIーNara / 遺伝子変異 / 先天性欠損症 / α_2PI-Okinawa / α_2PI-Nara / フレ-ムシフト変異 |
研究概要 |
線溶阻止因子アルファ2プラスミンインヒビタ-(以下PI)の遺伝性欠損症に2家系について、PI遺伝子の解析を行った。その結果、1家系においてはコ-ド領域に3塩基対の欠失が、他の家系においては1塩基の挿入がみとめられた。前者においては、1アミノ酸の欠失が、後者においては、フレ-ムシフトによる停止コ-ドンの移動によるC末端アミノ酸配列の置換と伸長が起きた変異蛋白がそれぞれ産生されることが予想された。そこで、それぞれの変異遺伝子の発現プラスミドを作成し、サルのCOSー7細胞にトランスフェクトして発現をみた。その際、パルスラベルによる発現PIを標識し、時間的に免疫沈降法、SDS電気泳動法、オ-トラジオグラフィ-などで分析を行った。その結果、両変異蛋白は、細胞内に正常と同量程度に産生されるが、細胞内に停滞し、極めて僅かしか細胞外に分泌されないことが判明した。細胞内にとどまっている変異蛋白は、高マンノ-ス型の糖鎖を有し、僅かに分泌された変異蛋白はノイラミニダ-ゼに感受性を示した。細胞内RNAのRNA blot analysisあるいはRN ase protection assay でもmRNAのレベルには正常と差がみられなかった。C末端部が伸長した変異蛋白は正常蛋白とSDS電気泳動にて容易に識別できることから、正常PIを産生しているヒト肝癌細胞株Hep G2にその変異遺伝子の発現プラスミドをトランスフェクトして上記同様の発現実験を行い、正常PIと変異PIの肝細胞内での輸送分泌過程を直接同一細胞内で比較した。その結果、COSー7の場合と同様に、肝細胞内でも変異蛋白の輸送分泌過程での障害が確認された。したがって、これらPI欠損症の2家系では、肝細胞内で産生された変異蛋白が、粗面小胞体からゴルジ装置へ輸送される過程で、輸送障害が起きているため細胞外に分泌されずに欠損症が生ずるものと結論された。
|