研究課題/領域番号 |
01480300
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
河野 道生 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40161343)
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研究分担者 |
藏本 淳 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (50034070)
藤村 欣吾 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (80034114)
田辺 修 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (70221398)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 骨髄腫細胞 / ILー6 / 遺伝子発現 / 転写調節因子 / 核内蛋白 / オ-トクリン増殖 / Multiple Myeloma / Interleukin 6 gene / Transcriptional Regulation / Nuclear binding protein / NF-IL-6 / Autocrine growth |
研究概要 |
ヒト骨髄腫細胞は構成的に増殖因子であるILー6を産生し、ILー6受容体を発現して、しかもILー6によるオ-トクリン増殖機構が働いている。ILー6遺伝子の恒常的発現は骨髄腫発生機序を考える上できわめて重要である。まず、前骨髄腫と考えられる良性M蛋白血症における形質細胞においてはILー6mRNA発現を検出することができず、恒常的ILー6遺伝子発現は骨髄腫に特徴的と考えられた。ヒト骨髄腫細胞株を数種樹立し、すでに樹立されている細胞株とあわせて、ILー6発現の強い細胞株としてKMSー5株を見い出した。骨髄腫細胞のILー6遺伝子発現を調節する外因性液性因子として1Lー1は、ILー6mRNA発現を増強した。一方、Interferonα及びglucocorticoidは発現を減少させた。ILー1によるILー6遺伝子発現誘導に注目し、その誘導に関わる転写調節領域としてー160〜ー112塩基の領域内にACATTGCACAATCTという14塩基のパリンドロ-ム構造領域が同定された。既にこの領域に特異的に結合する核内蛋白としてNFーIL6がクロ-ニングされていたので、このNFーIL6mRNA発現を骨髄腫細胞株及び新鮮分離骨髄腫細胞において、RTーPCR法あるいはノ-ザンブロット法にて検討した。すべての骨髄腫細胞にNFーIL6mRNA発現が認められた。骨髄腫細胞においてILー6遺伝子の構造的変異(再構成等が認められなかったことと考えあわせると、恒常的ILー6遺伝子発現は転写調節因子であるNFーIL6の発現異常として考えられる可能性を示唆することができた。今後引き続き、アンチセンスNFーIL6導入による影響及びNFーIL6以外の転写調節因子の同定及びクロ-ニングを行ない、骨髄腫細胞におけるILー6遺伝子活性機構を明らかにしていく考えである。
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