研究課題/領域番号 |
01480305
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
波利井 清紀 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (50111539)
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研究分担者 |
松林 薫美 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
朝戸 裕貴 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
秋月 種高 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
多久嶋 亮彦 東京大学, 医学部(病), 医員
木股 敬裕 東京大学, 医学部(病 ), 医員
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 神経科学 / 脊髄 / 虚血 / 軸索再生 / 神経移植 / マイクロサ-ジャリ- / 中枢神経 / 末梢神経 |
研究概要 |
[研究実施内容]脊髄神経細胞の虚血耐性および再生に関する基礎的研究を行うにあたり使用した動物実験モデルは、我々が独自に開発した近交系ラット移植モデルである。これは、近交系幼若ラット(ドナ-ラット)の上半身をマイクロサ-ジャリ-を用いて血管吻合を行い同系成熟ラットの鼠径部に移植するものである。脊髄の虚血耐性に関する実験では、生後2および4週齢のドナ-ラットを60から120分間の完全虚血に曝露したモデルを作製し、脊髄機能を肉眼的に評価し、4週間後に脊髄の病理組織学的変化を観察した。脊髄の軸索再生に関する実験では、ドナ-ラットの脊髄の断端に同系成熟ラットの坐骨神経を遊離移植し、脊髄断端から移植末梢神経組織中への軸索再生の有無を光顕的および電顕的に観察した。 [結果]脊髄の虚血耐性に関しては、60分から90分間の完全虚血においても脊髄機能はかなりの程度温存されていた。組織学的にも脊髄変性は軽度であった。脊髄変性の程度を反映すると考えられる、移植ラットの上肢の末梢神経の変性程度もごくわずかであった。同一虚血時間ではドナ-ラットがより幼若である方が虚血耐性が高かった。また、完全虚血状態における脊髄の温度は低ければ低いほど、虚血耐性が高かった。 ドナ-ラット脊髄の断端に末梢神経を移植した実験では、その中への軸索再生が認められた。これは、脊髄神経細胞から伸展してきたものと考えられた。 [研究成果]近交系ラットの幼若個体を同系の成熟個体に移植するモデルを開発したことにより、今までは不可能であった脊髄の完全虚血に関する研究が可能となり、脊髄神経細胞がかなりの程度の虚血耐性と再生能力を有することがあきらかとなった。
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