研究課題/領域番号 |
01480325
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 義生 京都大学, 医学部, 講師 (90089102)
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研究分担者 |
森 敬一郎 京都大学, 医学部, 助手 (80159186)
田中 紘一 (田中 絋一) 京都大学, 医学部, 講師 (20115877)
島原 康行 (嶌原 康行) 京都大学, 医学部, 助手 (30196498)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 肝切除術 / 冷却潅流法 / 血中ケトン体比 / 生体肝移植 / 体内肝冷却潅流 / ケトン対比(KBR) / 肝切除率 |
研究概要 |
肝腫瘍に対する切除率の向上をめざして機能的な限界と手服的な限界をのり越えて拡大手術を行ってきたが、今回の科学研究費補助金による研究により以下の成果をあげた。 1.実験的研究 体内温阻血に比べ冷却潅流阻血を行った方が肝のViabilityを長時間維持できることを明らかにし、これから血中ケトン対比(AKBR)の測定により実証された。さらに、Lactate Ringer液に比ベてEuro Collings液が潅流液としては優れており、現在、移植用の潅流液とし最良であることも明らかにした。 2.臨床的応用(1)肝切除:giopump^Rを用いて、門脈系、下大静脈系の血液を上大静脈系にバイパスを行うことにより心循環系の安定を得た上で全肝阻血を行い、非切除葉に対してLactate Ringer液による門脈からの冷却潅流を行うことにより右葉切除術を2例行い、出血量、手術侵襲の軽域に成功し、術後も極めて良好な経過を得た。(2)自己肝部分移植:肝腫瘍が下大静脈、中肝静脈と左大静脈の間にはさまったように存在した肝硬変合併症例に対して、生体肝移植で経験した手法を用いて左葉切除後、back tableで腫瘍を切除し脈管系のトリミングを行った後、元の位置に再移植を行った。1例は現在7ケ月で元気に生活しており、他の1例は術の2週間で安定している。この方法は、肝葉切除に耐え得ない障害肝に併存する肝腫瘍の治療法としては新しい発想法である。すなわち、無肝期をつくることなく片葉で代謝的負荷を処理し術後の負荷にまで耐え得るために残りの肝を移植するという発想で、この方法により更に切除率の向上が期待される。
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