研究課題/領域番号 |
01480354
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菊池 晴彦 (菊地 晴彦) 京都大学, 医学部, 教授 (20072746)
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研究分担者 |
寶子丸 稔 (寳子丸 稔) 京都大学, 医学部, 助手 (70211539)
永田 泉 京都大学, 医学部, 講師 (10198327)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | モヤモヤ病 / ウィリス動脈輪閉塞症 / bFGF / FGFリセプタ- / FLG / 浅側頭動脈 / bFGFリセプタ- / 免疫組織化学 / 単純ヘルペスウィルス / 硬膜 / DNAブロット解析 / aFGF |
研究概要 |
モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)は内頸動脈分岐部を中心に内膜の肥厚による血管狭窄をきたし、脳底部を中心とした異常血管網を形成する疾患であるが、その病因に関しては諸説あるにも関らず不明である。我々は当初、モヤモヤ病の発生には遺伝的素因が関与している可能性が高いと考え、RFLPを示すDNAマ-カ-を用いたリンケ-ジ解析を計画した。しかしながら、家系内発症例に対して家系調査を施行したところ、モヤモヤ病の有無の判定が困難で、明らかな遺伝形式を示す家系を得ることができなかった。つづいて、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞に存在すると同時に、これらの細胞に対して増殖を促進する作用が知られている成長因子であるbFGFに着目し、bFGF遺伝子の解析をおこなった。bFGFCDNAを用いたDNAブロット解析ではモヤモヤ病と正常人の間に明らかな差を認めなかった。しかしながら、浅側頭動脈に対するbFGFの免疫組織学的検討をおこなったところ、モヤモヤ病の中膜平滑筋細胞においてbFGFの免疫染色性が増大していることを認めた。我々は、中膜平滑筋細胞の内因性bFGFが増加することにより、細胞の移動能、浸潤能、増殖能が増大し内膜肥厚がおこるのではないかと推論した。そらに、FGFリセプタ-(FLG)の免疫組織学的検討をおこない、中膜平滑筋細胞にはbFGFばからでなくFGFリセプタ-も存在することが明らかとなった。この結果bFGFはオ-トクラインのメカニズムで働いていることが示唆された。以上我々は、モヤモヤ病の原因となる遺伝子の解明に端緒をひらくことはできなかったものの、モヤモヤ病の内膜肥厚にbFGFが深く関与している可能性を明からにした。
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