研究課題/領域番号 |
01480357
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
大本 尭史 (大本 堯史) 香川医科大学, 医学部, 教授 (60032900)
|
研究分担者 |
本間 温 香川医科大学, 医学部, 助手 (60209343)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | クモ膜下出血 / 脳血管攣縮 / 透過性変化 / 血液ー血管壁関門 / トレ-サ-研究 / 血管内皮細胞 / 脳血管壁透過性 / トレ-サ-スタディ / ロイコトリエン |
研究概要 |
成猫を用いた膜下出血(SAH) モデル(twoーhemorrhage model)では、経斜台的に観察した脳底動脈に約40%の直経減少を伴う血管攣縮(VS)と、この脳底動脈潅流領域の40%以上の局所脳血流量低下が観察され、VSの研究を進めるうえで適したモデルであることを確認した。このモデルはVS発生直後より徐々に血管壁の透過性の亢進が観察され、血管内腔側よ投与したトレ-サ-(horse raddish peroxidase,native ferritin,colloidalgold)は、正常では通過しえない内皮細胞間隙を通過し、平滑筋層にまで達しているのが観察された。この結果より、VSの進展や持続に血管壁の透過性亢進が関与している可能性が示唆された。さらに同モデル用いた、5ーlipoxygenase阻害剤、LTC_4・D_4拮抗剤前投与による観察では、脳底動脈のような脳主幹動脈の攣縮を抑制しなかったが、進行性の血流低下を抑制した。このことから、LTC_4・D_4はSAH 後の脳微小循環障害に関与していると考えられ、これら薬剤によるVS発生時の脳虚血症状発現の予防を目的とした臨床応用の可能性が示唆された。また蒸留水の一時注入により浸透圧差を利用した脳底動脈の内皮細胞を損傷したモデルを作成し、SAH 後のVSと同様の形態学的変化が認められることを確認した。このモデルに対してトレ-サ-を投与したところ、SAH モデルと同様に血管壁の透過性亢進が認められた。以上の結果より、内皮細胞損傷のよる血管壁の透過性亢進が、SAH 後のVSの発生、進展、持続に強く関与していることが示唆された。
|