研究課題/領域番号 |
01480370
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
山本 博司 高知医科大学, 医学部, 教授 (90035709)
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研究分担者 |
上岡 禎彦 高知医科大学, 医学部, 講師 (60185981)
谷 俊一 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90136250)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 生体材料 / チタン / ポ-ラス材料 / 力学的特性 / バイオメカニクス / 移植 / 脊椎固定 / 生体親和性 |
研究概要 |
チタン繊維性金属を脊椎固定に対する生体材料として応用を行うために、雑種成犬椎体間にimplantを移植し、形態学的、組織学的変化について検討を行った。材料は、一本の250μm径の純チタン製ワイヤ-を編み上げ焼結した、8×8×5mmの直方体のものである。素材の見かけ上の気孔率は40〜60%で、口径は約50〜450μm、平均約210μmであり、開孔構造を呈している。体重8〜18kgの雑種成犬16頭を用いて、腰椎前方固定術を施行したのち、レントゲン学的、組織学的、力学的検討を行い、その特性を検索した。レントゲン上、移植後1カ月より、12頭中11頭(92%)に、椎間腔の狭小化がみられた。その程度は、3頭で経過とともに増加したが、残りの動物では移植後3カ月以降に、その程度が拡大するものは見られなかった。また、移植後初期から見られた骨透過性の低いradiolucent zoneは経過とともに減少し、骨の改変を示していると思われた。一方、骨透過性の極めて高い、いわゆるclear zoneの見られた部位では、骨侵入は観察されず、線維性結合組織で満ちていた。最終観察時には、9頭中5頭(56%)で、boneーimplant interfaceにradiolucent zoneとclear zoneを認めず、このレントゲン像は、implant内部への良好な骨侵入を推測させるものであった。implantへの最大骨侵入深度は、移植後1カ月で0.50mm、3カ月で0.70mm、6カ月で1.50mm、9カ月で2.10mm、12カ月で2.35mmと、経時的にその深度を増加していた。pushーout試験によるboneーimplant interfaceの力学的検討では、移植後6カ月で平均13.1kgf/cm^2、移植後9カ月で49.2kgf/cm^2の剪断応力の増加が認められた。以上の結果より、titanium fiber metal implantは脊椎固定材料として優れた特性を持っていることが、動物実験から確認された。
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