研究課題/領域番号 |
01480374
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩月 尚文 東北大学, 医学部, 助教授 (50004908)
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研究分担者 |
安田 朗雄 東北大学, 医学部, 助手 (00166505)
最首 俊夫 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (30201502)
小野 勝彦 東北大学, 医学部, 助手 (70169332)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 完全全脳虚血 / 虚血後脳障害 / 遅発性神経細胞壊死 / カルシウム拮抗薬 / トロンボキサンA2.拮抗薬 / adenosyl methionine / 高圧酸素療法 / トロンボキサンA_2拮抗薬 / 虚血後脳障害の治療 |
研究概要 |
全脳虚血後の遅発性神経細胞壊死に対する治療法を検索するために、我々の15分完全全脳虚血犬モデルを用い、以下の各種治療法につき検討を行なった。 1.トロンボキサンA2拮抗薬(抗TAX2)の効果:抗TXA2を血流再開後に200mcg/kg静注、以後10mcg/kg/minで3日間投与した8頭と、非治療群9頭とで比較検討した。EEC誘発脳波の再出現率は抗TXA2投与により有意に改善し、生存率(7日間)も有効傾向が認められたが、脳神経機能回復スコア(NRS)には両群間に差がなかった。抗TXA2には脳の電気整理的機能の改善と生存率を向上させる効果があるものの、機械的機能を改善する効果がないことが示された。 2.SーadenosylーLーmethionine(SAMe)の効果:脳内の代謝を改善するSAMeの効果を、血流再開直後に10mg/kg静注、以後4mg/kg/hrで3日間投与し7日間観察した。EEC、NRS、生存率共に非投与群との間に(各9頭)差がなくSAMeには、完全全脳虚血後の治療効果がないものと推測された。 3.高圧酸素療法(HBOT)の効果:HBOTを純酸素3気圧1時間で、虚血後2時間目、24時間目、30時間目に計3回施行した群(H群9頭)と非施行対照群(C群10頭)を14日間観察した。EEGはH群で有意に改善した。NRSはH群平均値が3日目より65以上(ほぼ回復を示す)となり全経過中C群よりも高く65以上に回復した頭数はH群で6/9、C群で1/10(P<0.04)で、H群に90以上の完全回復が2頭あった。従って、HBOTに完全全脳虚血に対し著しい治療効果があることが示唆された。 4.HBOTとニカルジピン(NC)併用の効果:Ca^<++>拮抗薬NC(10μg/kg bolus,0.33μg/kg/min 3日間)をHBOTと併用した。これ迄の3頭の14日目のNRSは、89.4、74.3、100.0(平均84.4)であり、HBOT単独以上の効果が期待出来そうである。
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