研究課題/領域番号 |
01480378
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
坂部 武史 山口大学, 医学部, 助教授 (40035225)
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研究分担者 |
海江田 令次 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (10204306)
前川 剛志 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (60034972)
石川 敏三 山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 麻酔薬 / 笑気 / ハロセン / ペントバルビタ-ル / モルヒネ / ノルアドレナリン / α_2受容体 / インビトロオ-トラジオグラフィ- / 神経伝達物質 |
研究概要 |
本研究は、麻酔薬・鎮痛薬の作用に関し、中枢ノルアドレナリン(NA)神経系、とくにα_2受容体の役割を明らかにし、さらにα_2受容体作用薬と麻酔薬との併用効果についての基礎的知見を得ることを目的とした。覚醒群ラットを対照とし、N_2O 75%,Halothane 1.3% Pentobarbital(PB) 80mg/kg(ip),Morphine 5mg/kg(iv)役与時の鎮痛効果(tailーflick latency:%MPE)を調べ、さらにこれらの薬物にclonidineを併用した場合の影響を検討した。中枢のNA神経伝達機構については脳・脊髄NAレベル(HPLCーECD法にて測定)と[^3H]clonidine特異的結合(in vitro autoradiographyにて測定)を調べた。N_2Oの鎮痛効果発現の機序については金網拘束ストレス、青斑核破壊、麻薬拮抗薬の影響も併せ検討した。 %MPEはN_2Oで60%、morphineで100%と鎮痛効果がみられたが、halothaneとPBでは鎮痛効果がなかった。Clonidine併用は、覚醒時のMPEを20ー40%増加し、halothane群、PB群では60ー75%、80ー100%増加させた。またN_2Oでは、青斑核と脊髄後角でNAレベルの低下と[^3H]clonidine特異的結合の増加がみられたが、他の麻酔薬については著しい変化はなかった。N_2群で青斑核破壊すると、MPEは30%に減弱した。N_2Oの鎮痛効果はmorphineの鎮痛効果を拮抗するに十分な量のnaloxone(5mg/kg)で響影されず、またストレス(拘束)誘発鎮痛(オピオイド系や下垂体ホルモン等が関与)により影響を受けなかった。 以上より、N_2Oの鎮痛効果にはオピオイド系を介する機構より、NA神経系(下行性抑制系賦活とα_2受容体を介する一次知覚ニュ-ロン抑制)の関与がより有力であることが示唆された。またclonidine併用により麻酔薬(halthane,PB)の鎮痛効果が増強されることが明かとなった。これらの知見は臨床麻酔、疼痛管理におけるclonidineの有用性を示すものである。
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