研究課題/領域番号 |
01480380
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
高折 益彦 川崎医科大学, 麻酔科学教室, 教授 (30068978)
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研究分担者 |
難波 正義 岡山大学, 医学部・附属分子細胞医学研究所, 教授 (80069004)
福井 明 川崎医科大学, 麻酔科学教室, 助手 (50189924)
吉田 仁 川崎医科大学, 麻酔科学教室, 講師 (20182777)
大隅 昭幸 川崎医科大学, 麻酔科学教室, 講師 (90140532)
藤田 喜久 川崎医科大学, 麻酔科学教室, 助教授 (10144263)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 自己血輸血 / 悪性腫瘍 / 汚染 / 抗腫瘍薬 / 体外曝露 / 悪性新生物 / 回収式自己血輸血 / 自己血輸血の適応 / マイトマイシンC / 抗腫瘍作用 / 生体外曝露 / エ-ルリッヒ腹水癌 |
研究概要 |
悪性腫瘍切除手術に回収式自己血輸血を実施することは現在禁忌とされている。これは回収した赤血球中に転移性のある腫瘍細胞が混入した場合、全身性播種の危険性が生じるためである。しかしこの腫瘍細胞を赤血球の回収中に、あるいは赤血球濃縮中に死滅させればその危険性は消失する。本研究はこのことを目的とし、動物腫瘍細胞に対して抗腫瘍薬を比較的高濃度、短時間に作用させ、上記の目的を可能ならしめるため行った。研究1において抗腫瘍薬としてマイトマイシンCを選択し、in vitro下に各種濃度、5〜20分間の曝露を種々の動物腫瘍細胞に行った。その結果、エ-ルリッヒ腹水癌(ELーBPー3)では100μg/ml、15分以上で、Harding/Passey Bー16 メラノ-マでは400μg/ml、15分間以上、ラット肝癌AH66、またはAH130では、100μg/ml、20分以上でこれら腫瘍細胞の正常動物への生着を阻止しうることを認めた。研究2においてエ-ルリッヒ腹水癌、HardingーPassey Bー16 ノラノ-マを対象にCa拮抗薬添加によるマイトマイシンCの抗腫瘍作用の増強効果を検索した。その結果エ-ルリッヒ腹水癌に対しベラパミ-ルの10μM/mlの添加はマイトマイシンCの最低有効濃度を100μg/mlから50μg/mlに減少させた。しかし上記ノラノ-マに対しては全く効果が認められなかった。またニカルジピンの添加にも全く効果が認められなかった。研究3においてHardingーPassey Bー16、メラノ-マを対象にマイトマイシンC以外の抗腫瘍薬の移植、生着阻止作用を検した。その結果ドキソルビシンでは10mg/ml、20分、クロモマイシンでは500μg/ml、15分、アクラルビシンでは1mg/ml、20分が最低曝露条件であることが明らかになった。これらの研究結果は悪性腫瘍切除時にも回収式自己血輸血を用いることが出来ることを強く支持するものとなった。
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