研究課題/領域番号 |
01480383
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
田辺 将夫 琉球大学, 医学部(細菌学), 助教授 (30049077)
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研究分担者 |
古謝 静男 琉球大学, 医学部(耳鼻咽喉科学), 助手 (60161923)
早川 正道 琉球大学, 医学部(泌尿器科学), 助教授 (00095639)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 養子免疫療法 / LAK / TIL / 細胞障害性T細胞 / X-染色体 / 自己・非自己識別 / 腫瘍特異的移植抗原 / 骨髄細胞 / サイトカイン / 腎癌治療 / マイナ-組織適合抗原 / CTL / X染色体(遺伝子産物Xir) / Xー染色体遺伝子産物 / 自己・非自己識別物質 / 腫瘍特異的抗原 / 腎・頭頚部腫瘍 / X染色体遺伝子産物 |
研究概要 |
本研究は、臨床と基礎の両方面より腫瘍免疫をとらえ、有効な治療法の開発を試みたものである。早川は臨床面より、癌に対する養子免疫療法の成績向上のため、動注療法を開発し画期的な治療成績を示した。一方、田辺、古謝は基礎面より、マウスを使って腫瘍細胞に対する細胞障害性T細胞誘導の系を、新しい方法を用い開発した。この新しい系に於て、自己・非自己識別に関わる“唯一の抗原"の存在を示す事が出来た。【基礎面】(1).マウス骨髄細胞(BM cell)は、CTL(細胞障害性Tリンパ球)の前駆細胞に対しヘルパー作用を及ぼし、CTLの誘導を促す事を示した。(2).BM cellのヘルパー作用影響下において、minor-H抗原に特異的なCTLがin vitroで誘導出来る。遺伝解析により、CTLは非自己Xir抗原(X-染色体連鎖遺伝子産物)にのみ特異性を示し、自己・非自己識別を行う事が示された。(3).BM cellのヘルパー作用影響下において、腫瘍に特異的なCTLがin vitroで誘導出来る。腫瘍細胞は(2)で述べた本来持っていたXir抗原を消失し、新たに腫瘍に特異的なXir様抗原を獲得する事が示された。 【臨床面】(1).進行性腎癌患者から得たLAK細胞やTILの自己腫瘍細胞に対する細胞障害能は非特異的であった。(2).全身投与ではほとんど転移巣に移行しないが、局所動注ではかなりのキラー細胞が転移巣に移行し一定期間とどまった。(3).LAK細胞やTILは腫瘍細胞と培養することによりIFN-γやTNF-αを産生した。(4).LAK細胞の動注とIL-2の全身投与で12転移巣中7転移巣において縮小効果が得られたが、LAK細胞やTILの全身投与では有効例は見られなかった。腎細胞癌に対する特異的なCTLが臨床的に応用困難な現時点においては、進行性腎癌に対する動注療法が最も有効な方法と考えられた。
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