研究概要 |
I磁場被爆が卵巣内の卵細胞に及ぼす影響 1.5tsのtime staticな磁場で1hr/dayで5日間連続磁場被した雌マウスに対し、Ia:過排卵を誘発し、得られた未受精卵の体外受精法による受精率を検討した。対照群には未被爆の雌マウスを用い、排卵数は39.8、受精率は91.7%であった。磁場被爆直後の過排卵誘発では排卵数38.0,受精率55.4%,被爆4日後は排卵数42.3,受精率69.8%,被爆24日後は排卵数39.8,受精率85.6%であった。Ib:自然排卵周期で雄マウスとmatingさせ、腟栓確認の15日後に開腹し排卵数・着床数・発育胎児数を検討した。着床率(着床数/排卵数),発育率(発育胎児数/排卵数)は、対象群の94.8%、91.6%に対して磁場被爆群では91.3%、84.6%とそれぞれ低下していた。 II磁場被爆が受精卵の発育・着床・胎児の発育に及ぼす影響 IIa:雌マウスにPMSG及びhCGを用いて過排卵を誘発し、雄マウスとmatingさせ,翌朝及び翌々朝に1.5Tsのtime staticな磁場で2hr磁場被爆させ、hCG投与後に卵管内の卵細胞を採取し、2細胞胚への発育率を検討した。対象群の平均排卵数49.3、2細胞胚への発育率80.1%に対して,磁場被爆群は53.1,76.2%であり統計学的有意差を認めなかった。IIb:自然排卵週期で同系雄マウスとmatingさせた雌マウスに、腟栓確認の2日後から1.5Tsのtimestaticな磁場で2hr/dayで5日間連続磁場被爆させ、腟栓確認の15日後に開腹し排卵数・着床数・発育胎児数を検討した。対象群に比較して排卵数尾ば着床率は同程度であったが。発育率は81.0%と低下していた。 以上より磁場被爆は、卵細胞の授精能の低下、受精卵の発育率の低下として、妊孕性に対して影響を及ぼす可能性が示唆された。
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