研究課題/領域番号 |
01480397
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
八神 喜昭 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20079974)
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研究分担者 |
国松 巳歳 (国松 已歳) 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70145746)
青木 耕治 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50175725)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 習慣流産 / 抗リン脂質抗体 / ELISA / 抗GM_3抗体 / プレドニゾロン,アスピリン治療 / 妊娠中毒症 / 子宮内膜症 / 抗GM3抗体 / ステロイド・アスピリン治療 / 流産 / ハイドロキシルアパタイト / 血管内皮細胞 / プロスタサイクリン / 胎盤 / アフィニティ精製抗体 / ニトロセルロ-スビ-ズ |
研究概要 |
【1】血清中の抗リン脂質抗体の存在が異常妊娠の原因になりうるかどうかを解明する目的で、6種類のリン脂質抗原に対する抗体(1gG、1gM)のELISAによる測定法を確立した。健常非妊婦人の血清216検体から抗リン脂質抗体価の正常上限値を求めた。習慣流産患者328例においては14.6%に抗リン脂質抗体が陽性であった。抗体陽性例は次回妊娠において83%が再度流産となった。しかし妊娠前後からプレドニゾロン、アスピリン併用療法を施行した結果、大部分の抗リン脂質抗体の低下がみられ71.5%に生児を得ることができた。このように習慣流産患者において治療の有効生を評価するうえで抗リン脂質抗体の測定はよき指標のひとつになりうると思われる。さらに1gG抗リン脂質抗体陽性例に妊娠中毒症や胎児発育遅延の頻度が高く、抗リン脂質抗体のこれら病態への関与が示唆された。 【2】血清中の抗GM3抗体をELISA法にて測定した。リン脂質、糖脂質いずれに対する抗体も重複して陽性であった症例の半数は、ステロイド・アスピリン治療に抵抗性で再度流産をきたした。抗GM3抗体が細胞膜と抗リン脂質抗体との反応に相乗作用をもつことが示唆された。 【3】抗リン脂質抗体をアフィニティーカラムにて精製した。この抗体をヒト臍帯動脈の培養内皮細胞に作用させ、プロスタサイクリン(PG12)産生への影響を調べた。抗リン脂質抗体単独では効果がなく、β_2-GLYCOPROTEINIの共存下では、内皮細胞からのPG12産生の抑制が認められた。一方正常胎盤繊毛から抽出した細胞膜画分を抗原としたところ、精製抗リン脂質抗体の反応が認められ、抗リン脂質抗体が細胞膜に作用することが明かになった。
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