配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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研究概要 |
妊娠中に母親が抗原刺激を受けると、新生児には母親より移行抗体が伝達され、それが代謝されるまでの間、児の抗体産生は開始されないとする報告が多い。私達は綿羊赤血球(SRBC)及び卵白アルブミン(OVA)等のT細胞依存性抗原で妊娠マウスを免疫すると、仔の能動免疫は体液性免疫及び細胞性免疫共に生後長期間に亘り完全に抑制されることを報告してきた(Immunology,50,1983,Scand.J.Immunol.20.1984,Dev.Comp.Immunol.12,1988)。 平成元年度から平成3年度にかけて得られた成績として、母親への抗原量を変量させ、体液性免疫及び細胞性免疫の誘導を各々分離または会合させて、仔の能動免疫能への影響を検討し、かつ主たる機能細胞の同定を試みた。その結果、母親に細胞性免疫が誘導されたとき仔の細胞性免疫が主として抑制された。また、母親に体液性免疫と細胞性免疫が誘導された場合、仔の体液性免疫と細胞性免疫の双方が抑制された。このことにより仔における免疫抑制が母親の免疫状態と密接な関連があることが判明した(Dev.Comp.Immunol.,1989.金沢医科大学雑誌、1989)。以上の点を母親側の免疫担当細胞レベルで作用細胞の同定を試みるためめ、妊娠中の母親間において免疫担当細胞の養子移行実験を行った。その結果、Tリンパ球の養子移入を受けると、IgMーPFC及びIgGーPFCは強く抑制それた。さらに、T細胞をヘルパ-T細胞と抑制性T細胞に分離して養子移入すると、前者の細胞を妊娠動物に移入した場合に、仔に抑制が誘導された。すなわち、妊娠母マウス由来のヘルパ-T細胞がこの抑制誘導に関与していることが判明した。しかし、非妊娠の雌マウス由来の細胞は、当該活性が示されないことから妊娠中の免疫反応に特有な現象と考えられる(Immunology,1992,submitted)。
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