研究課題/領域番号 |
01480408
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
瀬口 春道 高知医科大学, 医学部, 教授 (90030866)
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研究分担者 |
小林 俊博 高知医科大学, 医学部, 助手 (40153621)
岡田 暉彦 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00025628)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 血管条 / レクチン / 糖鎖 / カチオン化フェリチン / 頂部小胞 / エンドゾ-ム / NaーKーATPase / モルモット / 内リンパ水腫 / 内耳 / 吸収 / 分泌 / 内リンパ |
研究概要 |
内耳の膜迷路は内リンパで充たされているが、この内リンパは一般のリンパ、細胞外液とは異なるイオン組成を有しており、このことが平衡聴覚の感覚受容に必須である。このイオン組成の維持調節に蝸牛管血管条の辺縁細胞が重要な役割を担っていることが明らかになりつつある。しかし、この内リンパの分泌吸収に関しては、従来トレ-サ-実験等、多くの研究にもかかわらず明確な解答は得られていない。本研究では、この問題を少しでも明らかにすることを目的に、以下の研究を行った。 1.Lowicryl K4Mに包理した超薄切片上で、レクチンを用い、辺縁細胞の形質膜の糖鎖を行った。その結果、SBA、HPA、RCAーIIで認識されるGalーNac、Galは辺縁細胞の腔側形質膜の微絨毛および飲小胞の各部、辺縁細胞核上部の頂部小胞、エンドゾ-ムの限界膜にあり、これらの細胞膜が、共通の性質を持ち、これらの間で代謝回転のあることが判明した。LFAで認識されるシアル酸は、辺縁細胞の基底陥凹部の形質膜にみられ、WGAで認識されるGluーNacは、血管条を構成するすべての細胞の形質膜にみられた。 2.カチオン化フェリチン(CF)を内リンパへ注入し、辺縁細胞での取り込みをみてみると、CFは経時的に飲小胞の形で取り込まれ、エンドゾ-ムに入り、さらに一部は頂部小胞に入ることが、in vivo in vitro両方の実験で確められた。 3.内リンパ水腫を実験的に惹起せしめた動物の血管条のNaーKーATPaseの活性をみてみると、内リンパ水腫発生1年までの例では、血管条上皮間の浮腫、辺縁細胞の萎縮、中間細胞の萎縮、消失がみられたが、NaーKーATPase活性は、辺縁細胞の基底陥凹部形質膜にみられ、内リンパ水腫にもかかわらず、重要な働きをしていることが判明した。しかし、さらに長期にわたれば、いずれ辺縁細胞は消失し、酵素活性も消失する。
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