研究課題/領域番号 |
01480424
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
寺島 達夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (20114770)
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研究分担者 |
大迫 正文 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60152104)
大井田 新一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 歯胚 / 器官培養 / エナメル質形成 / 免疫組織化学 / エナメルタンパク質 / 単クロナール抗体 / 免疫組織 / 象牙質形成 |
研究概要 |
歯胚の発育分化およびエナメル質の形成機構を総合的に解明することを目的として、本研究を行ない、以下の結果を得ることが出来た。 1.培養歯胚の発育に関する微細構造学的観察では、培養4日目において、象牙芽細胞への分化が認められ、咬頭頂領域で象牙質基質の形成が観察される。培養8日目では象牙質に石灰化が生じ、石灰化象牙質と相対している領域で、エナメル芽細胞の分化が認められ、エナメル質基質の分泌が開始する。培養16日目以後の歯胚では、エナメル質に接した遠位端に、明瞭な刷子縁を持つものと、刷子縁が形成されず小胞が多数認められるものの2種類の成熟期エナメル芽細胞が観察される。一方、培養歯胚の象牙質形成に関しては、エナメル質形成と石灰化が進行すると、象牙芽細胞の変性および消失が生じ、象牙質の形成が停止している。 2.培養歯胚のエナメルタンパク質の局在に関する免疫電顕的観察では、基底板が不連続となる時期に一致して、エナメル芽細胞の遠位端の分泌顆粒や遠位端部の細胞間隙に存在するスティブル様物質にエナメルタンパク質をしめす金粒子のラベルが初めて観察された。基質形成期エナメル芽細胞では、分泌顆粒やゴルジ野のゴルジ空胞やゴルジ顆粒にラベルが認められたが、周囲の粗面小胞体には観察されなかった。成熟期エナメル芽細胞では、刷子縁の細胞膜間隙および刷子縁部の近位側の小胞や空胞に金粒子が多数観察された。したがって、本培養システムでは、培養歯胚におけるエナメル芽細胞の分化発育過程は、約2倍の発育時間を要することを除いて、生体内発育歯胚のそれと基本的に同様であった。 3.マウスエナメルタンパク質抗原としたラット-マウスキメラモノクロナール抗体の作製では、得られた単クロナール抗体でマウスの培養歯胚を免疫染色すると、エナメル質にのみ特異的な免疫陽性反応が認められた。この単クロナール抗体に関して、詳細な検討を行う予定である。
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