研究概要 |
本研肝によって,LPSに対する血管反応を明瞭化することができた。 1.LPSは内皮依存性に血管を拡張させる(ハムスタ-頸動脈)。 2.LPSは内皮依存性にB_1ーKinin受容体を誘導し,血管を収縮性に反応させる(ウサギ舌動脈)。 3.LPSは血管収縮性神経シナプス前膜α_2受容体およびmuscarine受容体感受性を増強し,norepinephrine遊離を抑制する(ウサギ腸間膜動・静脈)。 4.LPS自身,活性酸素ラジカル発生源となりうる。 付.ウサギ舌動脈は活性酸素ラジカル(多分OH)によって収縮性に反応する。 以上の研究結果は,LPSによる口腔領域循環不全の病態生理学に新しい視点を与えるとともに,活性酸素ラジカルを非特異的組織障害機転として組み込むことの必要性を強く示唆している。この点に関して,「LPSー活性酸素ラジカルー骨吸収」の観点から新しい仮説を立てることができた。今後,その妥当性を立証できるに足る積極的なアプロ-チが必要である。
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