研究分担者 |
小方 頼昌 日本大学, 松戸歯学部, 講師(専任扱) (90204065)
田原 洋 日本大学, 松戸歯学部, 専任講師 (90197591)
松江 美代子 日本大学, 松戸歯学部, 専任講師 (70165265)
山口 進也 Nihon University, School of Dentistry at Matsudo, Assistant Lecturer (90158105)
佐久本 愛子 Nihon University, School of Dentistry at Matsudo, Assistant (30215678)
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研究概要 |
歯周疾患を治療するにあたって,病原に対する病変部の反応性を的確に把握し,歯周組織の破壊あるいは治療による修復の機序を解明することは重要なことである。本研究では,歯周疾患の原因因子について診査し,部位別に存在する病原因子の他に,咬合や局所の組織の応答など,全体的な調和に異常が認められるというという結論を得た。歯周炎は,部位特異的に病変が発症し,進行する。しかし,原因因子としての刺激は,単に細菌によるものだけではなく,物理的,化学的刺激も考えられる。一方,宿主側の応答も,部位特異的なものと,部位特異的ではないが,歯肉局所に限局的に現れる反応に分けて考える必要がある。次に,臨床的に歯肉に炎症反応が認められる場合,あるいは歯周ポケットができて病変が確立しているものの,臨床的には歯肉に炎症が認められない場合,あるいは歯肉の炎症を伴っている場合,また,炎症性刺激が骨に達して骨吸収が生じていると考えられる場合,病変が活性化するには異なった作用機序が考えられる。その結果,歯肉溝滲出液中に検出されるファクタ-によって病変部の変化を検索する場合に,その病態像の違いにより,また治療などによる局所の環境によって検出される物質に変化が認められることが判明した。病変の進行を,健康ー歯肉炎ー病変の深行,歯周ポケットの形成ー骨吸収というようなカテゴリーに分けて考えると,炎症が亢進して,歯周疾患が次のカテゴリ-に進行する時には,そこに病変の活性期が現れると考えられる。その活性期を知る手段として歯肉溝滲出液中成分はある程度有効であると判明した。そこで現在では,歯周疾患における組織破壊の機序,および修復機序を解明するために,犬を用いた動物実験における病変の活性期について検索を進めている。
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