研究分担者 |
山下 菊治 徳島大学, 歯学部, 助手 (30182497)
岡本 康生 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (50213989)
堀内 政信 徳島大学, 歯学部, 助手 (10219214)
市川 哲雄 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (90193432)
宮本 雅司 徳島大学, 歯学部, 助手 (30145007)
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研究概要 |
I.精製 塩酸にて脱灰したウシ骨粉より塩酸グアニジンにて抽出した画分から,限外濾過法にて分子量10ー100kDaの画分を集めた.これを,水に対して透析後に水司溶性骨誘導因子の粗画分を得た.これよりヘパリンセファロ-スカラム,ゲル濾過クロマトグラフィ-を用いて,高い骨誘導活性(ラット移植実験により誘導された骨組織のアルカリフォスファタ-ゼ活性で,塩酸グアニジン抽出物に比べ約680倍)を有する画分を得た.さらに,高速逆相クロマトグラフィ-により,SDSーPAGEで分子量18kDaの単一のバンドとして認められる骨誘導活性を有する画分を精製した.(現在,投稿準備中). II.活性検定法 1)in vitro ラット骨格筋由来細胞および頭蓋骨骨膜由来細胞が本因子に高い反応性を有することを見いだし,本因子とのcoーcultureによって,硬組織を速やかかつ高率に誘導する系を確立した. 2)in vivo アテロコラ-ゲンを坦体とした移植体のラット筋肉内での骨誘導活性を組織学的,生化学的(ALP活性,Ca含量等)パラメ-タ-にて移植後早期に判定する系を確立した. III.移植実験 骨誘導因子の部分精製品の動物内移植実験により,骨誘導に関する以下の事項が明かとなった.1)軟骨誘導に先行する時期に,移植片への無細胞性の石灰化沈着を認め,骨誘導開始機構に関する全く新しい概念を提唱した.2)筋肉内移植実験では,筋衛星細胞が骨芽細胞へ分化する知見がえられた.3)また,臨床応用を想定した移植実験では,多孔質ハイドロキシアパタイトブロックおよびアテロコラ-ゲンの坦体としての有効性が示唆された.
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