研究課題/領域番号 |
01480468
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渕端 孟 大阪大学, 歯学部, 教授 (70028728)
|
研究分担者 |
加藤 幸夫 大阪大学, 歯学部, 助教授 (10112062)
加藤 和子 大阪大学, 歯学部, 助手 (10194804)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
|
キーワード | 放射線 / 成長板軟骨細胞 / 細胞分化 / 石灰化 / 成長因子 / 成長軟骨細胞 / 細胞増殖 / 遠心管培養系 |
研究概要 |
放射線照射による骨成長障害を詳細に研究するためin vitroで内軟骨生骨化を忠実に再現できる実験系を開発し、この影響を検討した。 酵素処置により分離したウサギ成長板軟骨細胞を48well plateに播種しコンフルエント時に1ー10Gyエックス線照射した。1Gyの照射直後DNA合成能(^3Hーチミジンの取り込み)は障害を受け、10Gyで85%抑制が観察された。また72時間後には対照の20ー25%まで低下した。 ところで遠心管内で培養した成長板軟骨細胞は、増殖期(培養4ー12日)、成熟期(培養12ー16日)、肥大化期(培養16日以降)を経て石灰化を誘導する。そこで増殖期に0.1ー10Gyエックス線を照射した。10Gyの照射は、照射直後より軟骨細胞のDNA合成能を60%抑制した。また培養21日目のDNA量は40%低下した。基質合成能(^<35>SO_4の取り込み)は10Gy照射では変動がなかったが基質合成のピ-クは2日早まった。 アルカリホスファタ-ゼ活性も10Gyで40%低下し、合成のピ-クは3日早まった。次に増殖期に10Gy照射し、培養14日目からインスリン様成長因子200ng/ml、副甲状腺ホルモン10^<ー8>Mを6日間添加した。照射群ではインスリン様成長因子は細胞増殖を回復させ、副甲状腺ホルモンはアルカリフォスファタ-ゼ活性を76%回復させた。次に成熟期あるいは肥大化期に1ー10Gy照射して培養25日目に各種分化マ-カ-を測定した。成熟期の10Gy照射でアルカリフォスファタ-ゼ活性、石灰化能は有意に低下したが肥大化期に照射をしても何ら影響はなかった。以上の結果より、放射線障害は1Gyで照射直後から発生すること、また軟骨細胞の放射線感受性は分化段階に応じて変動するとともに、ある種の成長因子がこの影響を軽減することが明らかとなった。
|