研究課題/領域番号 |
01480482
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
常光 旭 大阪大学, 歯学部, 教授 (40034160)
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研究分担者 |
岩倉 功子 大阪大学, 歯学部, 助手 (60168549)
天野 敦雄 大阪大学, 歯学部, 助手 (50193024)
竹下 哲生 大阪大学, 歯学部, 助手 (10163396)
井下 英二 大阪大学, 歯学部, 助手 (00135724)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1990年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1989年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | バクテロイデキ ジンジバリス / 菌凝集阻害物質 / ヒスタチン / フィブリノ-ゲン / バクテロイデキジンジバリス / バクテロイデス・ジンジバリス / 血漿 / 唾液 |
研究概要 |
本研究は、Bacteroidesー.gingivalisーのもつグラム陽性菌に対する菌凝集素の働きを阻害する物質を唾液および血清より分離・精製し、その生化学的諸性質を明らかにし、さらに、この阻害物質によるB.gingivalisーの菌凝集活性阻害機構を解明することが目的である。B.gingivalisーとStreptococcusー mitisーとの共凝集を強く阻害する物質として、ヒト唾液よりヒスチジン高含有ペプチドおよび血漿よりフィブリノ-ゲンを分離・精製した。精製した高ヒスチジン含有ペプチドのアミノ酸配列を解析したところ、12のアミノ酸からなり、その配列はヒスタチン8と完全に一致した。そこで、[^3H]ラベルしたヒスタチンを用いて、共凝集を起す両菌株との結合性を調べたところ、ヒスタチンはB.gingivalisーとは結合したが、S.mitisーとの結合は認められなかった。さらに、B.gingivalisーとの結合に対してScatchard解析を行った結果、この反応の親和定数は 3.5x10^<ー6>Mであり、そのレセプタ-の数は1細胞当り3600であった。一方、フィブリノ-ゲンによる阻害について検討するため、まず、共凝集に用いた各菌体とフィブリノ-ゲンとを前もって反応させた後、その共凝集阻害の有無を調べた。プロテア-ゼインヒビタ-存在下で<gingivalis>___ーとフィブリノ-ゲンを前処理した時のみ、フィブリノ-ゲンの共凝集阻害活性がみられた。そこで、^<125>Iーフィブリノ-ゲンを用いて両菌体との結合性を調べたところ、B.gingivalisーとのみ特異的に結合した。また、共凝集およびB.gingivalisーとフィブリノ-ゲンとの結合は共に糖では阻害されずアミノ酸の一種であるアルギニンによって阻害された。以上の結果から、B.mitisーとの共凝集へのヒスタチンおよびフィブリノ-ゲンによる阻害は、両阻害物質がB.gingivalisー菌体と結合することにより生じ、その阻害には、フィブリノ-ゲンやヒスタチンがもつ塩基性アミノ酸残基が強く係わっていることが示唆された。
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